『ゼルダの伝説 4つの剣+』20周年。ゲームボーイアドバンスを画面付きコントローラーに見立てて遊ぶアイデアが斬新なマルチプレイの『ゼルダ』【今日は何の日?】
文:ウワーマン GBAの画面とテレビを行ったり来たりが新鮮だった 2004年(平成16年)3月18日は、ニンテンドーゲームキューブ用『ゼルダの伝説 4つの剣+』が発売された日。本日で発売から20周年の節目を迎えたことになる。 【記事の画像(9枚)】を見る 『ゼルダの伝説 4つの剣+』は、任天堂から発売されたマルチプレイがメインの2Dアクションアドベンチャーゲーム。2003年3月14日に発売されたゲームボーイアドバンス用『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』に収録されていたタイトルのひとつ『4つの剣』の続編にあたる作品だ。 タイトルに“+”を冠したのみなので『4つの剣』のパワーアップ版のような印象を受けるが、中身は完全新作となっていたので驚いた人もいたんじゃないかな。 操作形態が非常に独特で、ゲームキューブ本体にゲームボーイアドバンス本体を接続し、コントローラーに見立てて操作していく。一応、ゲームキューブ用コントローラーを使ってソロプレイができるモードもあるが、基本的には人数分のゲームボーイアドバンス本体とGBAケーブルが必要だった。 まるで小型モニター付きのコントローラーといった風情となるため、Wii U GamePadで遊ぶような感覚といったほうがわかりやすいだろう。もしかすると、この仕組みが後のWii Uへと発展していったのかもしれない。 『ゼルダの伝説 4つの剣+』のゲームモードは全部で3つ。どれも作風の異なるユニークな作品に仕上がっており、ストーリー&謎解き、対戦、競争などが楽しめた。 ひとつ目の“ハイラルアドベンチャー”は前作『4つの剣』の続編にあたるストーリー。復活した風の魔神グフーを再度封印するため、4人のリンクが協力しながら力の源“フォース”を集めていく。ひとりでは動かせない大岩を4人で押して道を切り開くなど、力を合わせて解く仕掛けも盛り沢山だった。 前作は4ステージしかなかったが、本作では8の地域にそれぞれ3コース用意された全24ステージへと増加。ストーリーと合わせてボリュームたっぷりになったのがうれしかった。ひとりで遊ぶ場合は、状況に応じて4人のリンクのフォーメーションを切り替えていく必要があったので、なかなか新鮮な体験だったんじゃないかな。 ふたつ目の“シャドウバトル”は駆け引きが熱い問答無用の対戦モード。ふたりから4人までのプレイが可能で、さまざまな手段でほかのプレイヤーを攻撃し、最後まで生き残れば勝利となる。剣で斬り合ったりパチンコやバクダンなどのアイテムを駆使したりするほか、草原、炎の塔、ハイラル城など、ステージごとに異なる仕掛けを利用して攻撃することもできた。 別のエリアに移動したときは、リンクがゲームボーイアドバンスの画面に移って操作するといったこともできたので、当時はかなり斬新なシステムだったんじゃないかな。 3つ目の“ナビトラッカーズ”では、『ゼルダの伝説 風のタクト』の世界で海賊のお頭“テトラ”の海賊試験に挑戦する。基本は海賊メダルを探してスコアを競い合うのだが、風変わりだったのは登場キャラクターたちがナビゲーターとなりフルボイスで進行役を務めてくれたこと。 テトラやチャツボなどのキャラクターたちがあらかじめ設定した2文字のプレイヤー名で呼びかけ、実況のようにゲームの状況を教えてくれるのが新しかった。「◯◯が1番の海賊メダルをゲット」、「テレビに注目!」、「つぎは2番だ」など、とにかくしゃべりまくってさまざまな情報を伝えてくれるのだからビックリだ。 各プレイヤーはおもにゲームボーイアドバンスの画面を見てリンクを動かすのだが、テレビ画面には全体マップが表示されていて、各プレイヤーの現在地や海賊の居場所がわかるようになっている。プレイヤーはゲームボーイアドバンスでリンクを動かしながらチラッチラッとテレビを確認して状況を把握し、メダルを持つ海賊のもとへと駆け付けるという仕組みもじつにおもしろいアイデアだった。 『ゼルダの伝説』シリーズと言えば、ひとりでじっくり楽しむ作品というイメージが強かったが、『4つの剣』でマルチプレイの可能性を見出し、『4つの剣+』でさらなる進化を遂げた。以降『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』や『ゼルダの伝説 大地の汽笛』の対戦モードや『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』での3人同時プレイなど、多人数での遊びもどんどん増えていくことになる。
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