「ココア」おめでとう 釧路市動物園で誕生会
北海道の釧路市動物園で仮死状態で生まれ、後ろ脚などに障害を持ちながらも元気に生きているアムールトラ、ココア(雌)の16歳の誕生会が19日、同園で行われた。全国からお祝いの花などプレゼントが届き、元気な姿を見せたココアが集まったファンらを喜ばせた。 はじめに鈴木貴博園長が「ココアが力強く生きて来られたのも、皆さんの応援があったから」とあいさつ。ココア獣舎内にお祝いのエゾシカ肉が置かれココアが肉片に食らいつくと、集まったファンがカメラや動画に収めていた。 トークセッションでは、3頭のアムールトラの赤ちゃんが生まれた2008年5月24日当時に園長だった山口良雄さんが駆け付け、仮死状態で生まれた小さな命をお湯の中で人工蘇生させた様子や、1年後のタイガの死を紹介し「当時の私たちの合言葉は『助けた責任と助ける責任』。全力で保育していく覚悟を決めた」と振り返った。 昨年からココアを担当する赤坂有香飼育員は「ココアは私にはそっけない態度で、50歳前後のおじさんが大好きです。トラの16歳は人間だと70歳後半。今は食欲があり前足もしっかりしているけど、命には限りがあります」と衰えが目立ってきたココアの現状を説明した。 好天の中、誕生会には家族連れや道外からのファンも詰め掛けた。新潟市から訪れた70歳代の女性は「釧路にはココアを見るために来ています。誕生日に来れたのは2回目で、目の前で元気な姿が見られて良かった」と話した。集まったファンらは用意されたメッセージボードにお祝いの言葉を記し、訪れた人たちには記念カードが配られた。