２２日、米ニューヨーク州地裁に出廷したトランプ前大統領（ＡＦＰ時事）

　【ニューヨーク時事】トランプ前米大統領による不倫口止め料の記録改ざん事件の公判で、検察側と弁護側の冒頭陳述が22日、ニューヨーク州地裁で行われた。 　出廷したトランプ氏が被告人席で見守る中、州検察は「選挙にまつわる詐欺だった」と強調し、弁護側は「無罪だ」と主張。大統領経験者を刑事被告人とする米国初の裁判が本格審理入りした。 　冒頭陳述に先立ち、判事は各陪審員に「推定無罪の原則」を確認。先入観や推測に頼らず、公正な判断を下すよう促した。 　トランプ氏は2016年の大統領選直前に支払ったポルノ女優への口止め料について、小切手や帳簿に「弁護士費用」と偽って記載した罪に問われている。 　最初に陳述に当たった検察は、トランプ氏が当時の顧問弁護士やタブロイド誌発行人らと共謀し、不倫の事実の隠蔽（いんぺい）を図ったと指摘。「大統領選を腐敗させようとした」と糾弾した。 　弁護側は「選挙に影響を与えようとするのは悪いことではない。それが民主主義というものだ」と反論。トランプ氏は小切手に署名したが、改ざんには関与していないとして無実だと訴えた。