人口約1万人のまちに2万人集客。竹を使う驚きのイベント〈たがみバンブーブー〉
幼稚園児から80代まで準備に参加。中学生はプロデュースも
たがみバンブーブーは、2022年にスタートして以来、徐々に規模を拡大してきました。主催者は地元の商工会メンバーが中心の「たがみバンブーブー実行委員会」ですが、バンブーアートの制作や設置、運営を担うボランティアを「たけのこ団」と称して毎年募集しています。 「たけのこ団」による作業は、たがみバンブーブ-竹林の敷地内で枯れた竹の撤去、通り道に生えている竹の伐採、ドリルで竹に穴をあける作品制作や、作品の設置などさまざま。 2024年の活動は、8月17日から9月11日までの日曜日を除くほぼ毎日続きました。平日は団員が本業を終えた夕方から、週末は半日ほどと、なかなかハードなスケジュール。それでも幼稚園児から70~80代の人まで、文字通り老若男女、たくさんの人が参加しました。 特に幼稚園から中学3年生まで、田上町の子どもたちはほとんどみんなたがみバンブーブーに携わっています。 期間中に1日だけ行われた〈たがみバンブーナイト〉は田上中学校3年生がプロデュース。1日限りのアイドルグループによるショー、「たこやき」ならぬ、たけのこ入りの「たけやき」やソックスや竹葉茶などバンブーグッズの販売も行われました。バンブーグッズはイベント終了後も〈道の駅たがみ〉で販売されています。 イベントの仕掛け人で〈道の駅たがみ〉で駅長を務める馬場大輔さんは、「子どもたちに、地域のことを好きになってもらいたいと考えたことがきっかけ」と話します。 田上町には、小学校がふたつ、中学校がひとつあり、高等学校はありません。田上の子どもたちは中学校を卒業すると、町外に進学。やがては町外で暮らし、田上町に戻ってくることは稀です。 竹林とたけのこが数少ない名物である田上町で育った記憶をずっと大切にしてほしい。大人たちのそんな気持ちが、秋の夜にふさわしい上品なインスタレーションと町の一体感をつくり上げてきました。 竹は耐久性が低いため、イベント終了後には作品もブランコも撤去され、また夏が来ると新たにイベントの準備がスタートする予定です。 田上町では今後も〈道の駅たがみ〉を中心に竹を使った特産品作りなどまちの宝、竹と一緒に盛り上がっていきそうです。 information 道の駅たがみ 住所:新潟県南蒲原郡田上町大字原ヶ崎新田3072-1 TEL:0256-47-0661 営業時間:ショップ・食堂 4~11月 9:30~17:00 12~3月 10:00~16:00 定休日:第2火曜、12月31日~1月2日 writer profile Saori Nozaki 野崎さおり のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。 【コロカルニュース】とは? 全国各地の時事ネタから面白情報まで。コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。