初球打ちで打率.462、OPS1.385! 得点圏で打てず「勝負弱い批判」を受ける大谷翔平が積極果敢に行く理由
昨年12月にドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)というエポックメーキングな契約を締結した大谷翔平。エンゼルスでは3番を務める機会もあった二刀流スターだが、今季はここまで出場全21試合で「2番・指名打者」として先発を続けている。 【動画】大谷翔平の第1号に熱狂 ドジャースファンの総立ちぶりが見えるシーン 何よりも「打つこと」が求められる指名打者にあって、大谷はここまで打率.360、4本塁打、長打率.640、OPS1.040を記録。さらに出塁率.400、15得点とチャンスメイクの役割をもしっかりと担っていると言っていい。 そうしたなかで、一部のメディアやファンの間で思わぬ批判が噴出している。それは、「大谷はチャンスで打てない」というものだ。 反響を呼んでいる批判の論拠のひとつは、得点圏での打率の低さだ。 昨今の米球界は2番打者にポイントゲッターの役割も求められるようになって久しいが、今季の大谷はチャンスで得点圏打率は.053(19打数1安打、犠飛2本)とからっきし。現地時間4月16日の試合終了後には、得点圏での3打席すべてで凡退し、デーブ・ロバーツ監督からも「ショウヘイはアグレッシブな打者である。だが、もう少しうまくカウントを整えていく必要がある」と指摘された。 ロバーツ監督は、得点圏での3打席すべてで初球から打ちに行った大谷を目の当たりにし、冷静に言葉を並べている。 「得点圏にランナーがいる場面で、超アグレッシブになってしまっている。だから、ちょっと落ち着かないといけない。投手にボールを投げさせるように対処しないといけないね」 この指揮官の何気ない“指摘”が「苦言」として、主に日本のメディアでクローズアップ。「今年のオオタニはチャンスで打てない」という印象が根付きつつある。 もっとも、大谷が積極果敢に打ちに行くのには理由がある。 というのも、今季の大谷は初球打ちで打率.462(13打数6安打)、長打率.923、OPS1.385というハイアベレージを記録する一方で、フルカウントでの打率は.000(8打数ノーヒット)と当たりはない。ともにスモールサンプルで、極端なケースでの比較となっている感は否めないが、「待つよりも打つ」形が結果を出しているのは一目瞭然である。 たかだか20打席の得点圏で打てなかっただけである。そんな短期間で大谷にタイムリーが出なかったがために、「勝負に弱い」と断じるのはいかがなものか。 メジャーリーグのシーズンは始まったばかりである。ここから地区優勝争いなども絡む戦いが続く中で成績を向上させていけば、大谷の「チャンスで打てない」というイメージが払しょくされるのは間違いない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]