函館観光に映画「コナン」効果 「聖地巡礼」で上期の観光客10%増
函館市が発表した2024年度上期(4~9月)の観光客数は前年同期比10%増の345万3千人で、19年度を上回り新型コロナウイルス禍前の水準に回復した。映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の登場スポットを巡る「聖地巡礼」で道内外から観光客を集めた。下期(10~3月)は外国人客が増える傾向にあり、市は消費額や宿泊日数の拡大に注力する考えだ。 上期の観光客数は、企業の団体旅行などが多かった1991年度の394万2千人がピーク。過去10年では北海道新幹線開業直後の2016年度が最多の366万5千人で、本年度はこれに次ぐ観光客数となり、コロナ禍前の19年度(343万9千人)を上回った。 本年度上期は全ての月で前年度を上回り、最多の8月は前年同月比で11%増の70万9千人。平均宿泊数は1.29泊で、前年同期の1.25泊を上回った。 映画公開に合わせ、市などでつくる実行委は五稜郭タワーやJR函館駅を巡るスタンプラリーなどの関連イベントを実施した。市は、円安により日本人の海外旅行が敬遠されたことや、上期のクルーズ船の函館港寄港が過去最多の46回に上ったことも、観光客増加につながったとみている