4人に1人が愛犬の熱中症を経験?鼻が短いコは特に注意 知っておきたい犬猫の熱中症予防と応急処置
見逃さないで!熱中症の症状
ペットが熱中症になった場合は、素早い対応がカギとなる。治療が遅れた場合、最悪は死に至ることも。ペットの異変にいち早く気づくために、熱中症の症状を覚えておこう。 【初期症状】 ハアハアという激しい呼吸(パンティング)、よだれ、粘膜(歯肉や舌、結膜など)の充血やうっ血、頻脈など 【重篤化した場合】 虚脱(ぐったりとして意識がない)、嘔吐下痢、ふるえ、意識消失、けいれん発作、ARDS(急性呼吸促迫症候群:肺が炎症を起こし呼吸が困難になる病気)
いざというときの対応
上記のような症状があり熱中症が疑われたら、次のように対処してほしい。 ・可能であればなるべく体温測定をする(直腸で測定すると良い) 。40℃を超えている場合には熱中症の疑いが濃厚となる。 ・直ちに動物病院を受診する。治療が遅れると最悪死に至るため、症状が現れてから90分以内を目安に治療する。 ・応急処置としては、全身に常温の水道水をかけて冷却する。または水道水で濡らしたタオルなどで包み、涼しい場所で風を送る。 この時、早く体温を下げようとして冷水や氷、アイスバッグを用いて急激に冷却すると、末梢血管が収縮し、温度の高い血液が各臓器へと流れていってしまうという。深部体温が下がらず、かえって熱が発散しにくくなり逆効果となるので注意してほしい。
熱中症になりやすいペットたち
最後に、特に熱中症になりやすい犬種・猫種を紹介する。 まず、犬は猫に比べ、散歩をはじめ屋外での活動量が多いため、全体的に熱中症になりやすい。 品種では、鼻が短い「短頭種」 はリスクが高く、犬ではフレンチ・ブルドッグ、パグ、シーズーなど。猫の場合はペルシャ、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤンなど。 その他、 ・肥満 ・呼吸状態の悪化を招きやすく、体温上昇に直結し、かつ脱水状態を引き起こすような病気を患っている ・認知機能不全症候群に陥っている高齢動物 といった場合も通常より危険性が高まる。 言葉で体調不良を訴えることができないペットをケアできるのは飼い主だけ。暑い季節は熱中症予防を徹底してほしい。 (日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト より)
プライムオンライン特集班