AI技術でバスケが進化!? 日常生活への応用も視野…富士通の最新技術『Human Motion Analytics』を体験してみた
Wリーグ・富士通レッドウェーブを有する富士通株式会社が、アジア最大級の先進技術展示会『CEATEC 2024』(2024年10月15~18日開催)に出展し、レッドウェーブ協力のもとバスケットボール関連のデモンストレーションを実施。バスケットボール番組『B MY HERO!』MCの関根ささらさんがこれを体験した。 【動画】関根ささらが体当たりレポート! この展示では、同社が開発した『Human Motion Analytics(以下、HMA)』を用い、AIによる新たな体験の可能性が示された。体操競技の採点支援システムで培った技術を応用し、人の動きや姿勢のAI解析がバスケットボールをはじめ様々なスポーツのトレーニングのみならず、日常生活においても活用される可能性があるという。 デモンストレーションでは、関根ささらさんが実際にHMAの技術を体験した。まずは自分なりのフリースローを1投。その映像をAIで即時解析し、あらかじめAIが学習していたレッドウェーブ・宮澤夕貴選手のフォームとの違いを確認する。AIからのフィードバックを受けて再挑戦する2投目は果たして改善しているか…?という流れだ。関根さんは残念ながら2投とも外してしまったが、AIによる1投目と2投目のフォームの比較映像を確認すると、改善できた点が可視化されていた。 開発担当の阿部大輔さんはHMAの技術について「特に動きの激しい体操競技の動作をAIで認識することからスタートし採点支援まで実現した。今後は、この応用範囲を広げることで、他のスポーツやリハビリなど多様な分野でも役立てることができると考えている」と述べた。この技術は『“マーカレス”で使えて』『リアルタイムに』『高精度で結果を提供できる』ことが大きな特徴だ。従来、姿勢の解析には身体にマーカーを取り付ける必要があったが、HMAはカメラ映像だけで認識を行うため手軽に分析を行うことができ、トレーニングの効率性が大幅に向上する。 このHMA技術は、トップレベルのスポーツ以外の分野でも活用可能だ。例えば、ピラティスのインストラクターと自分の動作・姿勢の違いをAIで解析することでトレーニングの精度を向上させたり、怪我からのリハビリの際には過去と現在の身体の変化を可視化して回復の度合いを確認したりすることもできる。人の動きを視覚的に理解しやすくすることで、健康増進やトレーニング効果の最大化が期待されている。 開発を担当する富士通株式会社の阿部大輔さんは「今後、人の運動能力を向上させたり健康増進に役立てたりして、この技術の価値を高めていきたい。そして、社会課題の解決にも寄与できるよう、さまざまな分野に展開していきたい」と語る。スポーツや健康だけでなく、エンターテインメントや教育、文化など多岐にわたる分野での応用が期待されており、今後のさらなる進化に注目が集まる。 体験を終えた関根さんはフリースローを決められなかったことを悔しがりつつも「私のモーションをカメラで捉えてAIが違いを比べてくれる。トップアスリートとの違いやフィードバック前後の私自身の改善の様子も見えてとてもおもしろかった。この技術がスポーツのみならず私たちの生活にも広がると思うと楽しみ」と締めくくった。
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