リハビリ×ゴルフから学んだ“つなぐこと”。思索の果てに見えたものとは? 【50代の女子大生が学ぶゴルフとリハビリテーション・最終回】
22年4月に、筑波大学社会人大学院の”女子大生”になった週刊ゴルフダイジェスト編集部Y。修士論文も何とか提出し、無事修了の日を迎えた。2度目の女子大生として過ごした2年間を振り返って思うことは――「JKG」です!
リハビリテーションとは何か?
これまでの2年間、修士論文に関する発表を、文献研究発表、構想発表、中間発表と今回の計4回行ってきた。何回行っても今までの人生で感じたことのない種類の緊張感で、発表の制限時間を知らせる「チーン」「チンチーン」というベルの音が夢に出てきたほど。最終発表3日前のゼミの予行演習で20分かかった内容を7分に縮め、発表メモを作り(目の老化のためパソコンの画面は見づらく、当然文字数は大きく! )、家では大声で、電車の中ではブツブツ……と練習を重ねた。周りから見れば“変なおばさん”だったに違いない。
最終発表の日
同期たちが発表する研究に感じ入っているうちに自分の番を迎えた。今回も手のひらに「人」という字を3回書いて飲み込むフリ。迷信かもしれないけどやっぱりこれは落ち着く行為だと思う。 結果、10秒ほどオーバーしたけれど、あっという間に終わった。先生方からの質問にも一応答えられたと思う。その後、別室での最終審議を終えたリーダーの先生からの「皆さん、たぶん大丈夫でしょう。お疲れさまでした」のお言葉。ほっと胸をなでおろしたのだった。
改めて、リハビリテーションとは何か、大学院とは何かを考えてみた
ここで私の同期を紹介したい。修了生22名は年齢・性別・職業はバラバラで皆とても個性的だ。各人それぞれ悩みながらも仲間で支え合いながら、修士論文を書き上げた。この場で全員を紹介したいがスペースに限りがあるので、同じゼミで“締め切りギリギリ女”の私を助けてくれた3名を紹介する。クールな理学療法士、齋藤裕子さん、お茶目な管理栄養士、菊池有利子さん、優しい理学療法士、成岡正基さんである。 共通するのはとても根が真面目だということ。そんなの当たり前だと思われる方もいるかもしれないけれど、とても大事なことだと思う。この3人に修了にあたり2つの質問をしてみた。 ≪Q:あなたにとってリハビリテーションとは?≫ 齋藤さん:「その子ども、その家族が、自分らしく生きるためのツールのひとつであって、我々は黒子だと思っています」 菊池さん:「いわゆる『障害』のある方だけでなく、誰にとってもよりよく生きられる状態になるためのアプローチ」 成岡さん:「どれほどの逆境にあっても、希望を失わず、可能性を模索する力」