肉が大渋滞!日曜限定「肉盛りカレー野郎」は優しいお味 いつもは会席料理、原点に病弱だったわが子への思い
長野市松代町松代の飲食店「心幸食(しんこきゅう)」が、6種類の肉料理を自由にカレーにトッピングできる「肉盛りカレー野郎」を日曜日限定で開催している。「反抗期でも黙る欲望まみれカレー」など奇抜な名前が目を引くが、ルーは通常のカレーと比べて油を抑え、信州の野菜をふんだんに使用。おいしく体に優しい料理を味わってほしい―との願いを込めており、ファンも広がっている。 【アップ写真】6種類の肉料理を全てトッピングした「全部のせ肉肉大渋滞カレー」
6種類の肉料理は、15種類の野菜や果物を練り込んだハンバーグや、飯山市特産の「北信州みゆきポーク」の角煮、72時間かけて作る鶏肉のコンフィなど。豪快な見た目だが、発酵や熟成、乾燥など調理の過程は繊細だ。ルーは水や小麦粉を使わず、北信州産を中心とした9種類の野菜でヘルシーに仕上げた。
普段は会席料理を提供する同店。代表の藤村綾子さん(63)が手間をかけて調理する原点には、病弱だったわが子においしい料理を食べさせたい―との思いがある。化学調味料を使わず素材の味を引き出した体に優しい料理を30年にわたり作り続け、食べた人の笑顔から元気をもらい、現在まで続けられたと話す。
カレーは元々、野沢温泉村で営業していた同名の店舗(現在は閉店)でインバウンド(訪日客)向けに提供していた。新型コロナ禍で外国人の来店は減ったが、見た目に反して「胃もたれしない」と常連客の間で話題になった。
ユニークなメニュー名は、藤村さんと家族で頭をひねった。反抗期でも黙る―は、中高生が好むハンバーグと唐揚げをトッピング。6種類全てを盛ったメニュー名は「全部のせ肉肉大渋滞カレー」(税抜き4990円)などとなっている。
露地物の野菜は土壌や天候に左右されるため、「毎日味が変わる」と藤村さん。「信州の野菜のおいしさを伝えたい」と日々、ルーを煮込むが、野菜の状態に応じて仕上がりも変化する。それもまた醍醐味(だいごみ)。「ここにしかない味わいを楽しんでほしい」