筧美和子、テラスハウスにいまも感謝 「乗り越えて、新たな姿みてほしい」
「最初に脚本をいただいたときは、悔しかったんです。なんとなく私にも向けられているような気がして」と筧は正直な気持ちを述べるが「実際、同じようなことを言われた経験もありますし、痛かった。でも、いまこの役をできるのは私しかいないんじゃないかと前向きに気持ちを切り替えました」と前向きに取り組んだという。 いろいろな葛藤があったというが、逆に考えれば、それだけ役柄に感情移入できたということは、演じるうえでは強みになった。「私にも姉がいて、お姉ちゃんと同じことをしても、私はうまくできないことが多かったんです。そうした劣等感はずっと持っていましたし、コンプレックスを強く感じることもありましたので、真子の気持ちを一緒に感じることができました」
自分自身と向き合えるようになった
真子という役を演じたことで、筧自身に大きな気持ちの変化が生じたという。「この作品をやることによって、自分自身と向き合えるようになったというか、弱い部分や恥ずかしい部分も含めて人間。こういった複雑な感情も人として大切なんだなと思えるようになりました」。 また、演じるという仕事へ向き合う気持ちも、これまで以上に貪欲になった。物語のクライマックスシーンは、姉妹の感情が激しく交差する重要な場面で、吉田監督からは「何十テイクやるかわからない」と言われていたが、結果は一発OK。 「あのシーンは、丁寧に江上さんとの関係が築けていたので、演じるというより、思いが自然と溢れてきたんです」と語ると「今回は、自分自身と重なるところが多い役だったので、なんとか皆さんに追いついていけたと思うのですが、私とかけ離れた役でも、しっかりと人物の軸をとらえて、表現できるようになりたい」と、今後の女優人生に強い視線を向けていた。 (取材・文:磯部正和、写真:志和浩司)