藤原紀香、山口智子らが水着姿で…「東レキャンギャル」が終焉 担当者は「取り組んできたことに誇り」
東レが11月、「東レキャンペーンガール」(旧・東レ水着キャンペーンガール)の起用終了を発表した。合成繊維メーカーの水着キャンギャル起用は1980~90年代にピークを迎え、後の人気女優やタレントが多数輩出したが、2000年前後から各社は続々とこの手法をやめ、東レの決定で一つの時代が幕を下ろす。 【写真をみる】水着姿の美女がズラリ! 歴代「キャンギャル」たち ***
東レの松村俊紀広報室長が言う。 「夏は海、冬はスキーへとみなが出かけていた時代、小規模企業が多い水着アパレルメーカーでは、需要があっても宣伝を打てなかった。そこで合繊メーカーの側がキャンペーンガールを立てたのです。百貨店特設売り場でのショーで水着を買う雰囲気を盛り上げると、繊維も売れる、というサイクルができました」 スタートは81年。東レからは山口智子(86年)、杉本彩(87年)、藤原紀香(93年)、菊川怜(99年)らが巣立った。 「年間契約料に加え、その都度、出演料もお支払いしましたが、若くて売り出し始めの方も多かった」(同) と言い、キャンギャル当時は一様にギャラは安かったそう。ただ、ここをステップに羽ばたいたその後の人生を思えば、山口智子が当時を振り返って、 「家業を継ぐはずだった人生に、突如、新たな別世界への扉が開きました」 と語ったのもなにやら味わい深く聞こえてくる。
「非常に重要な資産であることは変わらない」
99、00年に水着キャンギャル担当も務めた松村氏は、 「当時は合繊メーカー各社に担当者がおり、在阪企業の担当者が上京できない際にはその社の子も引き連れ、マスコミ各社を訪問したことも。水着市場のパイを大きくしようとの思いを各社で共有していたのです」 だが、松嶋菜々子や宮地真緒らを起用してきた旭化成が22年で撤退。東レが最後のとりでとなっていた。 東レも、起用タレントに事務所移籍を巡る問題が発生したため14年はキャンギャル不在。15年以降は名称から「水着」の文字が消え、19年からは水着審査自体がなくなるなど、キャンギャルは終焉(しゅうえん)の方向へ。 「グローバル事業を展開する一方、キャンペーンガールは非常にドメスティックな取り組み。どこまで続けるかという課題は常にありましたが、東レキャンペーンガールが非常に重要な資産であることは変わりません。合繊メーカーが市場を創った歴史の象徴でもあり、取り組んできたことに誇りがあります」(同)
「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載
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