ルイ・ヴィトンが低迷する一方、なぜエルメスは躍進するのか 高級ブランド「生き残りの鍵」は
鍵は「超富裕層」ターゲット
エルメスの売上高は2024年1~9月の間、前年比14%増加した。またLVMHの株価が下落した同時期、プラダの株価は22%上昇している。 エルメスの勝因は、いまもなお超富裕層をターゲットにしていることだとエコノミスト誌は分析する。スイス銀行USBによれば、世界の富豪の数は増え続けており、所有財産100万ドル以上のミリオネアは2023年に5800万人に達した。これは2000年の約4倍に当たる数だ。無理に顧客を開拓せずとも、「お金はあるところにある」というわけだ。 フォーブス誌はさらに、顧客のライフスタイルに即したエルメスの商品展開を評価する。多くのブランドはバッグや時計など、人気があって利益率の高い商品に依存する傾向にある。だがエルメスは、バッグやスカーフなどのアイコニックな商品だけでなく、スーツやネクタイなどの衣料品から、ジュエリーや乗馬用のアクセサリーまで、品ぞろえが幅広い。 こうした商品は同社が提唱するエレガントな生活を体現するものでもあり、それに富裕層は魅了される。
COURRiER Japon