苦しみ、つかんだパリ なでしこ、北朝鮮に2―1 北川「純の分まで」
苦しんだ末、パリ行きの切符をつかんだ。サッカーの女子日本代表「なでしこジャパン」は国立競技場で28日に行われた北朝鮮とのアジア最終予選第2戦を2―1で勝ち切った。主力に故障者が相次ぎ、第1戦の開催地が直前まで決まらなかった。想定外の事態が続いたが、勝負どころで底力を発揮した。北川ひかる(26)=INAC神戸、JFAアカデミー福島出身=は「純の分まで頑張ろうと臨んだ」。大けがの遠藤純(23)=エンゼルシティー、福島県白河市出身=の不参加に伴い、追加招集された先輩が奮闘した。 昨年夏のワールドカップなどで左サイドの主力を担ってきた遠藤の穴を埋める活躍を見せた。北川はDFとして先発すると、持ち前の対人の強さや位置取りの良さで北朝鮮の圧力ある攻撃に対抗した。豊富な運動量を生かし、要所では攻撃にも参加。相手陣内でボールを持つと鋭いクロスボールを前線に供給した。 ハイライトは前半の先制点の起点となったフリーキックだ。正確なボールを前に送り、待望の1点を演出した。「一度折り返してから得点を取る形をチームとして狙っていた。いいボールを蹴ることができた」と胸を張った。
金沢市出身で、帰省中に能登半島地震が起きた。追加招集を受けて17日から練習に加わった。五輪出場権について「石川県に元気を届けるという意味でもしっかり勝ち取りたい」と必勝を誓っていた。「きょうの勝ちで、石川県の人たちに少しでも元気になってもらえたらうれしい」と感慨に浸った。 「90分間で決めるつもりだった」。DF古賀塔子(18)=フェイエノールト、JFAアカデミー福島=は先発フル出場した第1戦に続き、この日は後半終盤に投入された。173センチの長身を生かし、球際に強い北朝鮮選手との競り合いで体を張り続けた。激闘を終え「五輪を自分たちの手でつかめてうれしい」と表情を崩した。 第1戦に途中出場したいわき市出身のFW千葉玲海菜(れみな、24)=アイントラハト・フランクフルト=は第2戦で出場機会はなかったが、ベンチからチームを鼓舞した。