「今はラグビーで結果を残して会社のためになっている」日本代表の社員選手・長田智希が埼玉の王座奪還誓う…21日リーグワン開幕
ラグビー・リーグワンが21日に開幕する。3季ぶりの優勝に挑む埼玉(旧パナソニック)は、日本代表のWTB長田(おさだ)智希(25)が東京SG(旧サントリー)との開幕節で先発。プロリーグ4シーズン目を迎えるリーグワンで、日本代表では珍しい社員選手としてプレーする長田がチーム復権のカギを握る。自身のラグビー観を語るとともに、王座奪還を誓った。 埼玉のWTB長田は、東京SGとの開幕戦に胸を躍らせた。前身のトップリーグ時代からのライバルとの初戦に、腕をまくる。 「いよいよ始まる。初戦はとても大事。東京SGは(代表活動で)離れている選手も少なく、チームとして仕上がりがいいと思う。僕は埼玉の優勝に貢献できるよう成長し続けたい」 4季目を迎えるリーグワン。その中で長田は、日本代表では異色な社員選手。パナソニックスポーツに在籍する。 「先の人生を考えた時に、いろんな選択肢があった方がいいと思った。将来的にスポーツに関わる仕事もでき、プロの選択肢も持てるというのは僕の中で大きかった」 チームの軸でありながら、社会人としての視野も広がる。シーズン中は原則ラグビーに集中できる環境ではあるが、週初めの一日はプロ選手とは別に、仲間の練習着の発注など業務スケジュールをこなす。スポンサーへのあいさつ回りや、イベント業務に従事することもある。 「週初めの日は5時半に起きてウェート(トレを)して、ミーティングをしてからラグビー業務。昼ご飯を食べて、午後のミーティングをして練習。午後5時に終わり、(体の)ケアなどをして帰る。僕は主に練習着のデザイン案をメーカーの人と話し合い、選手の採寸を取って、まとめて発注する。今年は採寸ミスでピチピチだったスタッフが数人いて…。『気をつけます』と、謝っておきました(笑)」 埼玉の社員選手は、同じく日本代表のSH小山大輝がグループ会社の空質空調社に所属する。自身のキャリアについて、パナソニックスポーツ所属の長田なりの考えがある。 「これまでの経験から、引退後に仕事を通して何で貢献できるかと考えたら、やっぱりラグビーに関わることだと思った。今はラグビーで結果を残して会社のためになっていることもあり、うれしく思う」 社会人としての信念を持ちながら、今は埼玉の一員として王座奪還に向けて尽力する。個人タイトルなどには気持ちは向かず、あくまでチームの勝利を目指す。 「強いワイルドナイツを見せることが、応援してくださる方にとって一番うれしいこと。優勝を目指しながらワクワクする試合を見せられたら。個人では日々の練習から準備をして、持てる100%のパフォーマンスを出していきたい」 新シーズンがついに幕を開ける。(大谷 翔太) ◆長田 智希(おさだ・ともき)1999年11月25日、京都・大山崎町生まれ。25歳。小学4年でラグビーを始め、大阪・東海大仰星高3年時に主将で全国優勝。早大でも主将。2022年に埼玉に入団し、23年1月のBR東京戦でデビュー。レギュラーシーズン12試合出場8トライでベスト15と新人賞の2冠。同年日本代表デビューを果たし、W杯出場。通算17キャップ。ポジションはCTB、WTB。179センチ、90キロ。
報知新聞社