最東端駅到着証明書、配布最多 23年度根室市観光協会調査
北海道の根室市観光協会(岡野将光会長)がまとめた、2023年度のJR東根室駅到着証明書交付時に行っているアンケート結果によると、配布枚数は過去最多の6425枚を数えた。回収率58・2%のアンケートからは20代の利用が最も多く、訪日外国客(インバウンド)は76%が40代以下。根室への宿泊も前年度より若干増えて、平均1・43泊となった。 「最東端駅『東根室』到着証明書」は、17年10月の花咲線利用促進イベントを契機に配布を開始。配布枚数は毎年記録を更新、22年度初めて6000枚を突破、昨年度は最多の6425枚を数えた。 花咲線利用者、未利用者を問わず、JR根室駅前の市観光インフォメーションセンターで無料配布に合わせてアンケートへの協力を求めており、その数も最も多い3740件となった。 アンケート記入者の居住地で、最多は東京都の689件(18・4%)で47都道府県すべてから来訪があった。海外からの来訪者も回復傾向をみせており、台湾(136人)をトップに香港(83人)、中国(30人)、韓国(14人)、米国(8人)など、国名未記入を含め12カ国・地域超の287人が訪れた。 アンケート記入者3470人のうち花咲線利用者は55%。花咲線全通100周年の21年度以降、55%を超えている。このうち20代が64%と、他の年代より10ポイント以上高い。同協会では「若者世代の運転免許証保有率の低さ、鉄道好きの割合が高いためではないか」と分析している。 来訪者の宿泊タイプは日帰り36%、ホテル30%、旅館8%、車中泊5%、民宿およびゲストハウス4%。全体の59%が宿泊しており、日帰りは22年度までと比べ約10ポイント減少した。根室への宿泊も1泊74%(1383件)、2泊15%(281件)、3泊3%(94件)、4泊以上が6%(113件)と、22年度より0・04泊増え、平均1・43泊となった。 同協会は「観光素材としての花咲線の情報発信、利用促進に努めたい」と話しており、自転車と列車を組み合わせた需要喚起策なども関係団体と模索している。
釧路新聞