パーソナリティの吉田麻也

吉田麻也がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「吉田麻也の切り替えて行こう！」（毎週土曜9：30～9：55）。吉田麻也が“何があっても切り替えて行こう！”というDFならではのスローガンを掲げ、最新のニュースやリスナーからのメールに鋭く反応していく番組です！ 3月9日（土）の放送では、岡崎慎司選手の引退について語りました。

「2月26日、サッカーの元日本代表・岡崎慎司選手の今季限りでの引退が発表されました。国際Aマッチ119試合出場、50得点をあげ、ワールドカップにも3大会出場。北京オリンピック以降、長きに渡りともに戦った名ストライカーの引退に吉田麻也もSNSにメッセージを投稿していました」 吉田：実は岡ちゃん（岡崎慎司選手）からは引退が発表される前に電話をいただきました。岡ちゃんは、ヒマなときにたまに電話してくるので、今回も“ヒマなのかな？”と思って電話に出たら、「岡崎、引退する！」って、しんみりさもまったくなく、サクッと言われました（笑）。内田篤人（の引退報告）もサラッとしていたんですけど、岡ちゃんはさらにサバサバしていました（笑）。 僕と岡ちゃんが初めて会ったのは、たぶん北京オリンピックですね。当時は僕も岡ちゃんもサブメンバーで全然試合に出られず、傷の舐め合いをしていたんですけど、その後、岡ちゃんは急激に得点をあげはじめて、あっという間にA代表の一員になり、“すごく差がついてしまったな”と焦ったことを覚えています。 その後、お互い日本代表でプレーするようになり、さらに時を経てプレミアリーグで、岡ちゃんがレスター・シティFC、僕がサウサンプトンFC（両チームとも現在はイングランド2部リーグ：EFLチャンピオンシップ）でプレーするようになってからは、たまにロンドンでご飯を食べたり、オフの前にはお酒を飲んで慰め合ったり、励まし合ったりしたことをすごく覚えています。 そんな岡ちゃんは日本代表で50得点、ワールドカップに3回出場、レスター・シティFCではプレミアリーグ優勝を経験していて、本来であれば香川真司や本田圭佑と同じくらい日本代表のメインキャストであってもおかしくないはずなのに、なんて言うんですかね……立ち位置でいうと“会いに行けるサッカー選手”みたいな感じなんですよね。そこがまた岡ちゃんの良さなのかなって思ったりします。とはいえ、本当は日本のサッカー界、スポーツ界からもっと評価されてもいいぐらいの歴史を作ってきた選手だと思います。 プレーの面で言うと、本当にハードワーカーです。常に相手の裏を狙っているし、相手の嫌なところを突いてくるし。あとは、クロスに飛び込んでくる勢いがピカイチで、しかも怖がらないんですよ。そのぶん、ケガもたくさんしているんですけど、僕らディフェンダーからすれば、頭から突っ込まれると、どうしても反射的に体が一瞬止まっちゃうんですよね。それでゴールを決めるのは岡ちゃんの真骨頂だと思います。 僕がサウサンプトンFCのときに、岡ちゃんに1試合で2得点取られたことがあって、これは僕のプレミアリーグ時代においてトップ5に入る汚点です（笑）。1点目はセットプレーのこぼれ球をつめられて仕方がない感じだったんですけど、2点目は、カウンターから僕の目の前でニアで触られて得点を許してしまい、そのときは「岡崎は絶対ニアに入ってくるだろ！ お前が一番分かっているだろ！」とチームメイトにめちゃくちゃ怒られました。あれはいまだに悔しい……僕のプレミアの歴史の1つです。 改めて、岡崎慎司という選手は、本当に素晴らしいフォワードだったと思います。それはゴール数が物語っていますが、それ以上に苦しいとき、入れてほしいときに得点が取れるフォワードはどこでも重宝されますし、そこが岡ちゃんの素晴らしいところだったと思います。 引退まであと数ヵ月あると思うので、やりきって、最後は岡ちゃんらしく灰になって散ってほしいなと思います。本当にお疲れ様でした！ そして、たくさんのアドバイスや励ましをありがとうございました。おそらく引退後は、サッカー界で違うキャリアを歩んでいくと思うので、またどこかでお会いすることもあると思うし、今後も日本のサッカーをみんなで盛り上げたいなと思います。これからもよろしく！ （TOKYO FM「吉田麻也の切り替えて行こう！」2024年3月9日（土）放送より）