多種多彩!かんきつ王国愛媛が誇るジュースたち
愛媛が誇る特産品といえばかんきつ。温州ミカンをはじめ、紅まどんな、イヨカン…とラインアップの豊富さが特長だ。これは果実に限らず素材の持ち味を生かしたジュースにもいえること。甘み、酸味の加減はもとより、口当たりや舌触りなど言葉ではなかなか言い表せない魅力も商品によって異なる。今回、ミカンどころや観光地の店などで売れ筋やお薦めのジュースを聞くと、みかんジュース界の今が見えてきた。あなたに「刺さる」ジュースにも出合えるかもしれない!(河野茜) ■八幡浜みなっと(八幡浜市) まずは日本有数のかんきつ産地、八幡浜市の道の駅「八幡浜みなっと」へ。物販・飲食施設「アゴラマルシェ」の一角には、壁一面にかんきつジュースの瓶がずらりと並ぶ。その数288種類。尾地真明専務は「日本一の品ぞろえ」と胸を張る。 売り上げ上位は全て温州ミカンのジュースだった。最も売れるのが「頂(いただき)みかんジュース 小瓶赤ラベル」(180ミリリットル500円)。2位は、同じ銘柄の「小瓶プレミアム」(同550円)。どちらも濃厚なのにさっぱりした後味でごくごく飲み干せる。 ■みかんの木(松山市) 松山市道後湯之町の道後商店街にあるかんきつ専門の土産物店「えひめ果実俱楽部みかんの木」。約20品種のジュースを40~50種類扱っている。 売り上げ1位は紅まどんな(愛媛果試28号)、2位は甘平と県オリジナル品種が並ぶ。小椋佐織店長は「上位2品は不動の人気。県内だけで栽培する品種なので高くても売れる」と言い、紅まどんなは指名買いが多いという。甘平もとろける甘さとコシがある果汁で濃厚さは随一。県内限定販売でネット通販でも取り扱っていない「文豪も愛した愛媛のめぐみ」シリーズも希少性から興味を集める。 ■10FACTORY(松山市) かんきつジュース専門店の10FACTORY。松山市大街道3丁目の本店は常時10種類以上の自社ブランド商品をそろえる。 「昔はミカンは安価で庶民的なイメージだったが、県がブランド品種の開発に力を入れたことで県外客にも高級かんきつがあると認識されるようになった」と分析するように、高級品種のせとかやブラッドオレンジは贈答需要が高い。東京・銀座店でも日本人のリピーター客は高級志向の傾向が強く「好みの味であれば価格にこだわらない客が増えた」と話す。 ■えひめ飲料(松山市) 愛媛県民になじみ深いのがポンジュースだ。1969年に果汁100%のジュースを発売した。82年には果汁の酸味だけを取り除いたソフトタイプを売り出した。2014年にはミカン粒入りを出すなど時代や消費者のニーズに合わせた商品を打ち出してきた。炭酸入りの「ポンスパークリング」は甘酸っぱい果汁感と爽やかな刺激で「新しいポンジュースを発見できる」とアピールする。
愛媛新聞社