楽天の指名になぜ無表情? その裏に「ホッとする状況じゃ…」 明大・宗山塁が頬を緩ませるまで【ドラフト】
2024年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日に行われた。明大の宗山塁内野手は5球団競合の末、楽天がくじを引き当て、交渉権を得た。運命の瞬間も常に無表情を保っていた宗山だが、仲間の吉報には頬を緩ませた。 【画像】仲間の吉報に頬を緩ませ… 宗山塁が笑顔になった指名後の1枚 西武、楽天、広島、日本ハム、ソフトバンクの5球団が1位指名。抽選の結果、楽天が交渉権を獲得した。本来なら喜んでいい場面だったが、その表情は変わらず。感情を読み取ることはできなかった。 「正直、ここまでの球団に指名していただくというのは、ある程度イメージはあったんですけど、実際に指名された瞬間はビックリしましたし、驚きはあった。なるべく表情に出さないように、平常心でいようと考えていた。交渉権獲得が決まった瞬間も、どこの球団になってもそこで頑張るだけなので、そこでも同じ気持ちでいようと思っていた」 会見で当時の心境をこう説明した宗山。3月には侍ジャパントップチームに選ばれ、東京六大学リーグ通算116安打をマーク。アマ球界No.1ショートとして高い評価を受ける男は、堂々と質問に応じた。 そんな宗山の表情が、一気に崩れた場面があった。同僚・浅利太門投手が日本ハムから3巡目指名を受けた時だ。満面の笑みになった5球団競合ドラ1は、浅利とハグ。安堵、歓喜……様々な感情が入り混じっていた。
宗山、喜ばしい気持ちがあっても「いろんな選手が待っている」
「浅利もそうですし、同級生、後輩たちも(浅利の)指名を待っていると思うので。そこまで指名をされてから本当の意味で安心できる。ホッとするような状況ではなかった」 複数球団の1位指名が確実視されていた宗山。夢のプロ入り、喜ばしい気持ちもあったに違いない。それでも「自分のドラフトでもあるんですけど、いろんな選手がドラフトで待っていて、指名がかかるかどうかという場面でもあると思うので」。崩れなかった表情の裏には、周囲への気遣いもあった。 喜びを分かち合った浅利は、プロの舞台で宗山と対戦することを想像し「真っすぐで押して、バットの1本でも折ってやろうと思います」とニヤリ。2人の友情が確かに伝わった明大・駿河台キャンパスの一室。明るい雰囲気に包まれて運命の一日を終えた。
THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda