もう一つの利上げは3.75%? FRBの「バランスシート縮小」にも要注意
FED高官が発した、バランスシート縮小に関する重要なメッセージ
ここで注意したいのはトランプ大統領の過激発言によって、FED高官が発した重要なメッセージが影に隠れてしまっていることです。年明け以降、FED高官はバランスシート縮小に関して以下のとおり踏み込んだ発言をしているので注意が必要です。3月FOMCでバランスシート縮小の議論が具体化した際などに市場が荒れる展開に備えておきたいところです。以下、重要な発言を掲載しておきます(日付順)。 ・バランスシート縮小によって「短期金利だけでなく長期金利で引き締めを行うことにはメリットがある」(ローゼングレン・ボストン連銀総裁、中立、投票権なし、1/10) ・「バランスシートの静止点は1兆ドル以上、もしかすると1兆5000億ドルの可能性がある」(エバンズ・シカゴ連銀総裁、ハト派、投票権あり、2/9) ・バランスシート縮小を「今年議論を進める必要がある」(カプラン・ダラス連銀総裁、中立、投票権あり、2/12) ・「バランスシート縮小を年内に着手すべき」(ラッカー・リッチモンド連銀総裁、タカ派、投票権なし、2/14) ・「再投資の戦略について今後数ヶ月のうちに協議する可能性」(イエレン議長、ややハト派、2/14) (第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一) ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。