耐震補強や外壁修理など文化会館の改修工事進む、来年度末まで休館【宇部】
宇部市は、文化会館の改修工事を進めている。1979(昭和54)年の開館以来初めてとなる大規模改修で、文化活動の拠点として市民が安心・安全に利用できるよう、約2年間をかけて耐震補強、外壁や館内の改修工事を行う。3月に外壁改修に着手し、現在は足場を組む作業が行われている。 改修工事は、阪神・淡路大震災を機に法改正された耐震基準を満たしておらず、外壁タイルの剝落や雨漏りが目立っていたため。関連費用を含む外壁工事費は約1億3200万円。耐震化や内部の工事にも、市議会の議決を経た上で今年度中に着手する。 足場が組み上がったらタイルの劣化具合を調査し、部分的な補修や一部全面張り替えを行う。外観の色合いは、今までと変わらないように仕上げる。防水工事のため、2階庭園に据えられた石の撤去なども行われている。 改修に伴う休館は来年度末まで。同館で開かれていた市芸術祭関連の展示会や発表会は、ときわ湖水ホールや市多世代ふれあいセンターなどの他施設で開催する。市文化創造財団は、その説明会と開催に向けた決起大会を19日午後6時半から記念会館で行う。 市文化振興課の上田梨恵係長は「休館で市民には迷惑をお掛けしているが、長く安全に利用できる会館にしていくために理解と協力を」と話している。 同館は、市内で多くの建築物を設計し、宇部の都市景観の方向性を示したといわれる建築界の権威、故・村野藤吾さんが手掛けた建築物の一つ。1階は三つの展示室、2階は三つの研修室と研修ホール、和室、楽屋、3階に文化ホールを備えている。