日本ユニセフ募金めぐり ネット上で激論
フィリピンの台風被災者のために緊急募金活動をしている日本ユニセフ協会をめぐって、ネット上の議論が熱い。募金の一部が協会の運営費に使われていることを批判するブログが事の発端だが、運営費が必要なのは当然だと日本ユニセフを擁護する声も少なくない。
アグネスへの「公開質問状」
きっかけは、2ちゃんねるの元管理人・西村博之氏が自身のブログ(11月14日)で、日本ユニセフ協会大使を務める歌手のアグネス・チャンに向けた「公開質問状」を掲載したこと。西村氏はこの中で、日本ユニセフ協会が募金の81%「しか」国連児童基金(ユニセフ)本部に送っていないことを批判し、「募金額の100%をユニセフ本部に送っている黒柳徹子さんの振込先口座を紹介しないのはなぜですか?」と質問を投げかけた。 アグネスは前日のブログ(11月13日)で、「日本ユニセフ協会について無責任なネットの書き込みがあるそうです」「デマに惑わされないでくださいね」と書いていた。西村氏はこのブログに言及している。 「公開質問状」が出た後、ネット上でさまざまな意見が飛び交い始めた。 あるブロガーは「日本ユニセフ協会が批判される理由と今後求められること。」という記事(11月17日)の中で、同協会が批判される理由をこうまとめている。 「無償の広告枠を使い数々のキーワードで露出することによる資金集めも行い、慈善事業を強調しながらも一等地に本部を構え、職員はそれなりの報酬をもらってたり、無償で働いているとされるボランティアも自分の出世やユニセフ以外の営利活動にユニセフの資金を利用している」。
「無給で活動を続けることはできない」
ただ、このブロガーは「職員・ユニセフ関係者にも生活があるので、無給で活動を続けることは出来ない」とも付け加えたうえで、活動の透明性を高めることが重要だと書いている。 一方、別のブロガーは「ひろゆきの日本ユニセフ&アグネス叩きについてそろそろ一言いっとくか」と題する記事(11月14日)で、慈善活動には、優秀なスタッフや、業務知識と経営資産を継承できる体制が不可欠だと指摘。日本には「『慈善活動にはコスト概念を持ち込んではいけない』『善意の運動は無償で担われるべき』という愚かしい思い込みが広く浸透している」と論じている。