「太鼓の達人」 小2で極めたドン 倉敷のこころん君の偉業に祝福の嵐 ゲーム開発担当者「非常に珍しい」
岡山県倉敷市在住の小学2年生男子が、太鼓をたたくリズムゲーム「太鼓の達人」で偉業を成し遂げた。腕試しができるモード「段位道場」で、最上級段位の「達人」に合格。SNSでは「最年少合格では?」と盛り上がっており、「おめでとう」「スゴすぎる」と祝福の声が相次いでいる。 【写真】踏み台に乗りながらプレーする愛くるしい姿はこちら 彼の名前は、ドンだーネーム(プレイヤー名)「こころん」こと山本一心君(7歳)。4歳の時、たまたまスーパーの一角にあったゲームセンターで「太鼓の達人」に挑戦して以来、その音にほれ込み、〝太鼓道〟を突き進んでいる。 プレー中、バチで細かくリズムを刻みながら、画面の音符を追う表情は、大人もドキッとするほどの気迫を感じる。だが、後ろから見ると、きゃしゃな体で高さ30センチほどの踏み台に乗っており、そのギャップが何とも愛くるしい。 平日は有名ドンだーのYouTubeのプレーを見てたたき方を研究し、家庭用のゲーム機で練習。週末はほぼゲームセンターに通っており、熱中すると4時間近くぶっ通しでたたく時もあるという。そんなこころん君について父親(48)は「『太鼓の達人』をやりたいという気持ちと、プレー中の集中力がすごい」と語る。ドンだー仲間からも「上達のスピードが速すぎる」と言われているそうだ。 「自分の好きなことを見つけるのは簡単なことではない。それがどんなことであっても、全力で応援したいというのが妻との共通の思いです」と父親。ゲームセンターの常連客にもかわいがってもらっているそうで、「コミュニケーションを通して、待つ時の態度、ほかのプレイヤーを応援する姿勢など、人としてたくさんのことを学んでいる」とも話す。 こころん君の強みは二つある。一つは譜面を覚える記憶力。1200曲以上ある楽曲の譜面の大半を暗記しているという。もう一つは「ロール処理」というテクニック。反動を使って腕の一振りで2打打つもので、大人ほど体力がないこころん君が、速くて、長い楽曲に臨む際に有効になるという。 こころん君が挑んだのは「段位道場2023」。昨年10月までに達人に挑戦できる段位を取得した。達人は、3曲で計3324コンボもある課題曲を不可(たたくタイミングを大きく外す)3未満に抑える▽演奏が上手くいくほど伸びていく魂ゲージを100%にする―といった厳しい合格条件でクリアしなければならない。特に3曲目の「23時54分、陽の旅路へのプレリュード」(むずかしさ:おに裏)は難曲で、750回ほど練習を重ねてきた。 入念に準備をしたこころん君は、今年1月下旬から達人にチャレンジ。挑戦4日目となる1月28日に合格することができた。「うれしくて『よっしゃー』と叫んだ」とこころん君。周りでは10人ほどがプレーを見守ってくれていたそうで、「おめでとう」の嵐が巻き起こった。「見てくれていた人たちの声援が力になった。みんなのおかげ」とも話す。 ゲームセンター版「太鼓の達人」を販売するバンダイナムコアミューズメントのゲーム開発担当者は「最年少なのかは不明」としながらも「7歳での達人合格は非常に珍しいと思われます」とコメントする。こころん君の今後の目標は「ミスなしでプレーする金達人になること」。将来の夢は、ドラマーかと思いきや、「学校の先生。学校に行きたくない時は無理して来なくてもいいよって寄り添ってあげたい」と話していた。