[山口県]きらら博公園「2050年の森」再整備へ 生物多様性など学ぶ拠点に
山口県、6月にも基本設計着手
山口県は本年度、県立都市公園・山口きらら博記念公園(山口市阿知須)の再整備に合わせ、園内にある「2050年の森」の交流拠点化に着手する。50年の森は2012年にあった全国植樹祭の際、50年を目指して森を育てようと県内外の人がアカマツなどを植樹。11年の東日本大震災直後だったことから、被災した東北3県の関係者らによる「復興の森」も整備されている。県は自然体験ができる空間づくりに向け、体験学習施設の構築も進める方針で、6月にも基本設計に取りかかる。 県森林企画課によると、約10ヘクタールからなる50年の森は第63回全国植樹祭に合わせ、公募した県民や県外からの招待者らが一帯にアカマツやクロマツなど約2万7千本を植樹。一般的に木は30~50年で生育するため、50年に向けた森の完成をイメージしているという。東日本大震災の早期復旧を願う復興の森は、岩手、宮城、福島県の被災者らが東北地方の海岸林にも生育するタブノキやヤブツバキ、トベラなど6種類を植えた。木々には、鳥の巣箱も設置されており、鳥や小動物が森と共存する生物多様性について知ってもらう狙いもある。 県は本年度から、同公園を新たな集客拠点として整備するため、中国地方最大級のフラワーガーデンや、障害の有無にかかわらず遊べるインクルーシブに配慮した遊具の設置に向けて準備を始めている。50年の森も、遊びながら学べる施設を造ったり、コンテンツを開発したりする予定で、県は現在、基本設計に向けて事業者の選定を実施。同公園の再整備完了と合わせ、26年度中の供用開始を目指している。 新たな木を植栽したり、水はけを改善したりする計画もあり、「生物多様性に加え、二酸化炭素の吸収、土砂の流出防止といった森林の役割を感じてもらえる場にしたい」と同課。村岡嗣政知事も4月25日にあった定例会見で、「(森林に関する)知識を入れるだけでなく、子どもたちがわくわくしながら学べる交流拠点、集客拠点にしたい」と述べた。