渡辺えり、来年1月に古希記念2作品を上演へ「歳を取った自覚はないですけど…」
女優の渡辺えりが8日、東京・紀伊國屋ホールで6日から上演中の舞台「さるすべり」(15日まで、同所)と、25年1月に自身の古稀(こき)を記念して上演する「『鯨よ!私の手に乗れ』、『りぼん』」(同8~19日、東京・本多劇場)の会見を行った。 上演中の「さるすべり」は、女優・高畑淳子との二人芝居。恋や戦争、学生運動など混迷の時代を生きてきた姉妹のストーリーを軸に、虚実入り混じったシュールな世界観を描く。 渡辺は、高畑とは「喜劇 老後の資金がありません」(21年)で舞台初共演している。「高畑さんとはとても気が合うんです。高畑さんは香川から、私は山形から演劇に憧れて田舎から出てきた同世代。(高畑の)死ぬ気で毎回舞台に立ってお芝居なさっている一本気な感じに惚(ほ)れたんです。今回も、稽古場から高畑さんのお芝居面白くてたまりません」と話した。 一方、来年1月に70歳を迎えた直後に上演される「鯨よ―」と「りぼん」は、激動の昭和から現在まで生きる女性たちの群像劇。「古稀(こき)の記念ということで自分では歳を取った自覚ないですけどね。内面は演劇に憧れた18歳と変わらない。でも、今やり残したことないようにと思い上演を決めました。2つともフェミニズム、反戦について描いているのが共通点。脳みそと体動く内にやりたいなと。死ぬ時まで元気でいようという気持ちをお客さんと共有したい」と意気込んだ。 「りぼん」は、「プロの役者さんたちを使ってやるのは今回で最後」と集大成を意識しているといい、「『りぼん』はお金がかかり過ぎる。こういうアート作品って難しい。今貯金をしていて、赤字でも何とか(出演者のギャラを)出そうとしています。要はお金の問題ですよね。お金があればずっとやりたい作品ではある」と思いを明かした。
報知新聞社