ベン・アフレックと元サヤのジェニファー・ロペス、10年ぶりの新アルバムと同名、歌って踊る映画を公開!
などと思っていたら今回の『This Is Me… Now ディス・イズ・ミー… ナウ』の登場である。いわばJ.LOの引き出物映画の第三弾だ。「また悪癖が出たのでは?」と心配になったが、これは取り越し苦労に終わった。まず尺は60分程度と短い。そして最初に書いた通り現実・精神世界・星座の神様の謎世界を舞台に、J.LOが経験した大恋愛の心模様を描いているのだが、訴えたいことがシンプルなうえ基本J.LOが歌って踊りまくるので、退屈せずにサクサク観られる。これまでの引き出物映画は全て劇映画だったが、今回はJ.LOのライブショーだ。これは大英断であり、同時に彼女の歌手としての絶対的な自信がなせる業だろう。ちなみに途中で謎の神様たちの会話パートがあるが、演じているのは各界の著名人、ポスト・マローンやファット・ジョー、ジェーン・フォンダなど、豪華キャストなので何となくつい見てしまうし、お祭り感もしっかりある。何より彼女の最大の武器である歌って踊れる才能を存分に発揮している点、そして歌って踊るJ.LOに集中して観られる構成が嬉しい。これぞまさに需要と供給の合致、理想的な引き出物映画である。そして肝心のお相手ベンアフの使い方も……これは見てのお楽しみと書いておこう。ひとつだけ書くとしたら、これまでと一味違う使い方をしており、非常に良い場所に配置したなと素直に感心した。
いろいろあったが20年越しの大恋愛を終えて、遂に理想の引き出物映画をものにしたJ.LO。新譜も出し、映画の新作も次々に決まっている。今後も彼女の活躍に期待して、注視していきたい。(加藤よしき)