田中麗奈“美鳥”が胸に抱いた「4人と自分1人」の切なくもリアルな感情に共感の声<いちばんすきな花>
多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠が“クアトロ主演”を務めるドラマ「いちばんすきな花」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系) の第9話が12月7日に放送された。ゆくえ(多部)ら4人が共通で知る美鳥(田中麗奈)の存在。これまで多くの共感の声が寄せられた4人の感情だが、美鳥に沸き起こった感情もまた共感を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】紅葉(神尾楓珠)が絵を担当した本の完成を喜ぶ椿(松下洸平) ■ゆくえら4人と美鳥のつながり 社会現象にもなったといわれる2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)のプロデューサー・村瀬健氏と脚本家・生方美久氏が再びタッグを組んだ本作。「男女の間に友情は成立するのか?」という永遠の命題をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”、そしてそこで生まれるそのどちらとも違う“感情”を描く。 学習塾の講師をしている34歳の潮ゆくえを多部、出版社に勤める36歳の春木椿を松下、美容師で26歳の深雪夜々を今田、コンビニで働きながらイラストレーターを夢見る27歳の佐藤紅葉を神尾が演じる。 ゆくえが高校時代に通っていた塾の講師で、椿の中学時代の同級生。また夜々の従姉妹で、紅葉が高校生の時の非常勤講師。4人が共通で知る志木美鳥(田中)だ。前回の椿と夜々との過去エピソードに続き、第9話ではゆくえと紅葉とのエピソードが描かれた。 そんななか、終盤で“5人”が一堂に会することになった。 ■椿の家で5人で食事することに ゆくえら4人と美鳥のそれぞれのエピソード。美鳥との会話で、美鳥が知る人物として登場していたり、美鳥が教え、教えられたことがつながっていたという奇跡のような偶然があった。そんな4人が美鳥に対して願っていたのが、「帰りたい場所」ができることだ。 その後の美鳥がかなえたその場所は、いま椿が住んでいる家。実母の介護で北海道の実家に戻ったものの、もう一度移り住むことを考えていた。 美鳥がカーテンの寸法を測るため椿の家に立ち寄ったとき、椿の元に夜々から連絡が入った。美鳥が作るご飯をみんなで食べたいという。美鳥は戸惑いつつ、食材を買いに出て、戻ってくると、ゆくえ、夜々、紅葉が来ていて、リビングから4人のにぎやかな話し声が聞こえてきた。 キッチンペーパーのストック場所を知り、牛乳の購入当番ができていて、色違いのマグカップがある…。4人の仲のよさを目の当たりにする美鳥。ゴミ袋の場所をみんなが把握していることに「ゴミ袋どこにあるか分かるって、暮らしてるってことだよ。帰る場所ってことでしょ。よかった、みんなに帰る家あって…」と言った。 ■美鳥の「5人は違うのかも」が切ない 美鳥の言葉に胸がギュッとなった。その理由が、翌日、美鳥の口から明かされた。 北海道に戻る美鳥を空港に見送りに行ったゆくえに、「私ね、2人って好きなんだよね」と語り始めた美鳥。「自分のためだけに相手がいるって感じが安心する」のだという。 ゆくえが、椿ら4人で最初に集まったときに「2人組作るのが苦手」という話題で盛り上がったと明かすと、美鳥は「想像でき過ぎる」と笑った。そして「私はね、4人みんなのこと好きだけど、それぞれと2人でいる時間が好きだったし、2人ずつで会ってみて、今も好きだなって思った」と言いつつ、「5人は違うのかも」と打ち明けた。 みんなで会えたことは楽しく、うれしかったが、「4人と自分1人」だと感じた美鳥。ただ、「私はみんなと2人ずつで出会ったから。それはそのまま変わらなくていいの。仲間に入れなくていいし、むしろよかった。この4人が出会えたって思うと、今まであったこと全部意味があったって思える。よかったって思える。それくらい4人が仲いいんだもん」と付け加えた。 これまで2人組が苦手な4人に共感の声が多く集まっていた本作。そこに美鳥という別の視点が入った。SNSには「4人の気持ちも、美鳥ちゃんの気持ちも、どっちも分かる気がする」「みんな好きだけど2人がいいってのすごく分かる」「美鳥の2人組についての言葉がすごくしっくりきた」「私も2人組が好き」「5人になると歯車あわなくなっちゃうの切ない」「美鳥の居づらそうな感じがリアル」などの声が上がった。 4人がそれぞれ美鳥といい関係を保っていても、5人が集まると何かが違う。4人が過ごした共通の時間がそう思わせてしまうのが、切ないけれどリアルだ。そんなリアルな感情を呼び起こす物語。クライマックスに向け、4人+1人がどう進むのか、ますます目が離せない。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部