bokula.、地に足ついた「本戦出場」で激汗モッシュピット状態
3月24日(日)に開催された「ツタロックフェス2024」。bokula.のライブレポートをお届けする。 【ライブ写真はこちら】 30分という持ち時間の「流れ」を意識した、地に足のついた演奏だった。 「愛してやまない一生を.」で初っ端からシンガロングを巻き起こすと、「夏の迷惑」では本来えい(Gt,Vo)とかじ(Gt)のふたりのギターで始まるイントロを、さとぴー(Ba)、ふじいしゅんすけ(Dr)のビートで繋ぐアレンジに変えてきた。そこにかじの軽快なカッティングのリフが絡み、ボーカルイン。シンプルな8ビート(「愛してやまない一生を.」)→小気味いい16ビート(「夏の迷惑」)というアッパーな2曲をDJプレイのように鮮やかに繋ぐと、すでにフロアは激汗モッシュピット状態に。 「広島の小さなライブハウス、ALMIGHTYと変わらないライブをします!」というえいのひと言を挟み、「バイマイフレンド」、「最愛のゆくえ.」と、ミドルテンポの曲が続く。「バイマイフレンド」は、本来2サビ後に倍テン(テンポが倍になったように聴こえるアレンジ手法のひとつ)のような展開があるのだが、それをカットして「最愛のゆくえ.」へほぼ曲間なしで繋いだ。「まあまあ落ち着けって」と、グッドメロディーでなだめられているかのようだ。 続く「愛すべきミュージック」では「ジャンプできますか!」とフロアに強烈な縦ノリを発生させる。アウトロの伸ばしから「群青謳歌」、爆速2ビートの「満月じゃん。」で再びアッパーに盛り上げて終演。冷静になった今振り返ると、瞬間最大風速をより高めるための、「バイマイフレンド」倍テンカットだったように思う。 bokula.は今年結成5年目を迎える。普通、キャリアを重ねるほどにこの「30分」という時間の使い方は難しくなっていく。しかし、既存曲のアレンジをいじって全体の「流れ」に軸足を置いた構成は、もはや貫禄すら感じられた。全7曲のセットリストだが、この日bokula.が演奏したのは、30分という大きな1曲だったのかもしれない。昨年のクロージングアクトから「本戦」に抜擢された広島のヤンガンは、着実に歩みを進めている。 <イベント情報> Vポイント presents ツタロックフェス2024 公演日:2023年3月23日(土)、24日(日) 会場名:幕張メッセ国際展示場 9・ 10・ 11ホール 主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株) 企画:CCCミュージックラボ(株) 制作:ライブマスターズ(株) 運営:(株)ディスクガレージ 特別協賛:CCCMKホールディングス(株) / 三井住友カード株式会社
Satoru Tsukada