「ブギウギ」で注目を集めたOSK日本歌劇団 楊琳と舞美りらの退団公演に注目/芸能ショナイ業務話
昨年10月から今年3月に放送したNHK連続テレビ小説「ブギウギ」で注目を集めたOSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」が8月7日から11日まで新橋演舞場で開催される。 同劇場での上演が10回目を迎える今公演は、2021年4月からトップを務めてきた楊琳(やん・りん)と舞美りらの退団公演。 横浜市出身の楊は05年4月に研修所(当時)に83期生として入所。07年4月に初舞台を踏み、同11月には52年ぶりとなる京都・南座公演、22年の劇団創立100周年と節目の舞台をトップとして牽引してきた。 一方の舞美は京都市出身、08年4月に入所した86期生で、10年4月に初舞台。17年秋に「たけふレビュー」でヒロインに抜擢され、21年4月に娘役トップになった。 今年1月、退団が発表になった2人は現在、7月13日から21日に京都・南座公演の稽古の真っただ中。 その合間を縫って行われた会見で、楊はラストステージに向け「稽古場で過ごせる時間は残り少ない。一瞬一瞬を心に刻んでいます。暑い夏、熱い心でさらに熱くお届けします」と気合十分。 舞美は「私は舞台に立つまでの過程が好き。お稽古ではもがき、苦しみ続けましたが、卒業というゴールが見えた今、一番、もがいています。そうやって苦しむことが私らしい」と16年間、OSKで過ごした時間を表現しました。 そして「OSKとは何か」に、楊は「言葉にすると簡単に聞こえてしまいますが、やはり人生の全てです。芸とは自分を見てもらうこと、皆さんに私自分を楽しんでもらうなんて、悪く言えばおこがましいことだと思います。だからこそお稽古場で日々、自分に向き合い、芸に取り組んできました。その濃厚な日々こそが、自分自身を作ってきた時間。だからこそOSKは人生の全てですし、卒業してからもそうあり続けると思います」と〝芸は人なり〟を感じさせる言葉を口に。 一方の舞美は「夢をかなえてくれた場所。学生時代、舞台に携われるお仕事を夢見ていた私に『こんなに素敵な劇団に入れたよ』って伝えたい。さまざまな劇団がありますが、皆さまに100年以上も愛される劇団はなかなかありません。本当に幸せな日々を過ごしました」と感謝の気持ちを語りました。 会見を終え、出口へ向かった2人。ドアの直前、楊は前を行く舞美の左腕をつかみ、振り向かせ、帰り支度を始めた報道陣に向かって、そろって深々と頭を下げました。