「2980円の和牛すき焼きラーメン」「食べ歩きまぜそば」インバウンド需要で東京・新宿のラーメンに異変が! 一方、夜の街には“中国人専門”のキャッチの姿も…
インバウンド需要がめきめきと回復するなかで、日本一の繁華街、新宿・歌舞伎町では訪日観光客に向けてあるグルメが変化を遂げているという。さらに、夜遊びにおいてもその恩恵を受けているとか……? 【画像】1杯2980円!!外国人をターゲットに商品化された「和牛すき焼きラーメン」
ラーメン目当てで訪日する外国人客も
日本政府観光局が発表した2023年の訪日外国人観光客の推計値は2506万6100人で、過去最高だった2019年の約8割にまで回復した。そんな訪日外国人たちは日本の観光スポットもさることながら、あるグルメに熱視線を注いでいるという。旅行業界関係者はこう語る。 「実はいま、訪日観光客から人気なのがラーメンです。天然とんこつラーメン『一蘭』は各国のガイドブックに『日本で絶対に行くべきお店』として紹介され、世界的な知名度を得ました。このような背景もあって『本場でラーメンを食べてみたい』と思う外国人が増えたのでしょう」 実際、観光庁が発表した2023年4月~6月期の訪日外国人の消費動向「最も満足した飲食」によると、ラーメンはすき焼きや和牛といった「肉料理」(28.8%)に次ぐ2位(20.0%)にランクインした。 外国人に“見つかってしまった”日本のラーメン。このようなインバウンド需要によって、日本のラーメンシーンに変化が起きているという。そこで、訪日外国人の旅行先1位の東京のなかでも、新規ラーメン店の出店が相次いでいる歌舞伎町を訪れてみた。
外国人をターゲットにしたラーメンも続々
2月12日。3連休最終日とあって人ごみでごった返す街中には外国人観光客の姿も目立つ。歌舞伎町一番街やゴジラロードといったメイン通りには、外国人を意識して店先に「Miso Ramen」や「Tonkotsu Ramen」といった英語表記の看板を置いている店も多い。 そうした看板の中でも、ひと際目を引いたのが「WALKING RAMEN」(500円)なる商品だ。 「食べ歩きができるまぜそばが歌舞伎町に誕生‼」とのことのようだが、販売するのはクラフトビールなどを中心に取り扱うバー「新宿エール」。いつからこのような商品を展開するようになったのか。 「始めたのは去年7月ごろから。うちはバーなのにメニューにあるラーメンを注文する外国人が多かったので、そこに目をつけて『肉玉まぜそば』をハーフサイズのテイクアウト用につくりました。この看板を見てお店に入ってくれる外国人の方も増えてきてます」(「新宿エール」店長) 次に目に入ったのは「WAGYU SUKIYAKI RAMEN」、お値段はなんと2980円だ。このラーメンを販売している「ビーフキッチンスタンド」アパホテル歌舞伎町タワー店店長に話を聞いてみた。 「以前からラーメン凪さんとコラボして『すごい煮干しラーメン』を出しているのですが、外国人の方にはクセが強くて口に合わなかったみたいで……。それで思い切って外国人の方が好きな和牛とラーメンを組み合わせて商品展開することにしました」