ECBホルツマン氏、ドルを支配するFRBは「部屋の中のゴリラ」
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は、世界の基軸通貨であるドルを支配する米金融当局の影響力は並外れて大きいとして、政策当局者はそれを考慮することになるとの考えを示した。
「われわれのデータや決定はある程度、米金融当局の影響を当然ながら受ける」と同氏は独紙ハンデルスブラットが8日に報じたインタビューで発言。「われわれは真空の中で行動しているわけではない。ドルを持つ米金融当局は比喩的に言えば、部屋の中のゴリラだ」と述べた。
ECBは6月6日に政策金利を0.25ポイント引き下げるとみられており、金利を長期にわたって高水準で維持する可能性が高い米国と乖離(かいり)する格好となる。
ホルツマン氏はECB政策委員会で最もタカ派のメンバーの1人とされるが、性急な行動はしないよう警告。
「まず第一に、初回利下げの基本前提が満たされなくてはならない。つまり、2025年半ばまでにインフレ目標を達成する可能性が高いという条件だ」と指摘。「その時期が6月に到来すれば、一段の措置がそれに続くことは間違いない。しかし、金利をあまりに早急に引き下げる理由は一切見当たらない。われわれが取る全ての措置は、その時点で入手可能なデータに左右される。9月と12月には多くの新たなデータや見通しを得ているだろう。7月にはとうていそうした状況ではない」と続けた。
原題:ECB’s Holzmann Says Fed Is Gorilla in Room Thanks to Dollar(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Zoe Schneeweiss