相方・加納でも「分からないことだらけ」 村上の魅力が爆発するAマッソのYouTube
脳を揺さぶられるワードセンスと誰にも真似できない設定でお笑いファンの心を虜にするお笑いコンビ・Aマッソ。ネタだけでなくYouTubeチャンネルでもその魅力は変わらない。7年前に開設した「Aマッソ公式チャンネル」は、17万人を超えており(2023年11月16日時点)、忙しいスケジュールにも関わらず週1本以上のハイペースで投稿を続けるなど、Aマッソの活動において大きな軸のひとつとなっている。 【写真】スクランブル交差点の中央でキスをする村上と東ブクロ 最大の魅力はなんといっても、加納と村上、2人の素に近い自然な姿が見られるという点だ。若手芸人らしからぬ立ち振舞いから、かつては「尖っている」と揶揄されることもあったAマッソだが、このチャンネルでは2人の人間味が溢れており、見れば見るほど2人のことを好きになってしまう。幼馴染だからこその空気感と全く種類の違う笑いを生み出す2人のバランス感。そんなAマッソだからこそ、ただコンビニのおすすめの商品を紹介するようなYouTubeの定番企画だけでも十分に面白い動画が成立する。 Aマッソのツッコミでネタ作成も行う加納は、ベタで分かりやすい笑いから、鋭角に突き刺してくるような毒のある笑いまで、辞書並の語彙力で常に笑いの最適解を導き出す天才だ。ネタやテレビではクールに見えるかもしれないが、このYouTubeでは天真爛漫な姿が印象的で心から楽しんで撮影しているのが画面からも伝わってくる。加納のはじける笑顔を見ればAマッソというコンビに対する認識がガラリと変わるはずだ。個人的に加納の魅力が現れていると思ったのが、加納が面接によって人間の本性をあぶり出す「面接官加納」。一癖も二癖もある志願者たちが加納の容赦ない高速ツッコミによって次々と捌かれていく神企画だった。 ボケ担当の村上は、ときに加納以上に奇抜な言動を見せるトリックスター。天真爛漫や傾奇者という言葉がピッタリなその人柄はどんな企画であっても全くブレることはない。小学生時代からの幼馴染でもある加納ですら、未だに「分からないことだらけ」と言わしめるほどブっ飛んだ感性は常にわれわれ視聴者をワクワクさせてくれる。「思い浮かんだ名詞を村上に100個言わせる」という企画では、スタッフの名前を4人述べた後になぜか5つ目「ORANGE RANGE」をあげるという(別にファンを公言しているわけではない)奇天烈っぷりを発揮。その独特すぎる脳内の一旦が垣間見えた。 また、同世代の芸人たちとの企画もこのチャンネルの大きな魅力。なかでも2021年のホワイトデーに公開されたさらば青春の光とのコラボ動画は150万回再生を突破している。同年のバレンタインデーにさらば青春の光のYouTubeで公開された動画の続編で「村上と東ブクロのデート写真をつぶやかれたら1万円」という、どうしても東ブクロとデートがしたい村上発案の狂った企画だ。第1弾は、リミッターが壊れた村上と東ブクロが路上キスをして終わるという結末を迎え、視聴者に衝撃を与えた。 そして第2弾となるこの動画では、キスをさせることで再生数が伸びると睨んだ森田によって「バレた時点でキスできる」という条件が追加された。当初は「片方がバレたらほっぺにキス、両方がバレたら口にキス、ファンから声をかけられたらディープキス」というルールだったのだが、盛り上がった2人はルールを無視し声をかけられた瞬間にキスをするという暴走を見せる。その後もなにかにつけキスをし、最終的にスクランブル交差点の中央で「村上と東ブクロはキス」「森田はサックス演奏」「加納はコンテンポラリーダンス」という大団円を迎え、YouTubeの歴史に新たな1ページを刻んだのだった。起きる全ての出来事に高速のツッコミを入れる加納、次々と新しい展開を考える森田哲矢、とにかくたくさんキスがしたい村上、隙あらば舌を入れようとする東ブクロと4者4様の個性が爆発した最高の動画となった。 ネタだけでは分からなかった新たな一面を見せ、これから益々ブレイクしていくであろうAマッソ。このチャンネルは、彼女たちの唯一無二のお笑いをいつまでも見ていたいと感じさせる最高のコンテンツだ。
かんそう