命にかかわるような過酷な場所で役に立つことが使命 ランドクルーザー250と一緒に新しいナナマルにも乗った これで480万円とは驚き!
480万円ならこれで野山を駆け回りたいのが男の子!
1984年のデビューだから今年で40周年を迎えるランドクルーザーの王道、70シリーズ。最新の250もいいけど、こちらはこちらで捨てがたい魅力に溢れていた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。 【写真36枚】250よりさらに安い 480万円のランドクルーザー70の質素だけれどヘビーデューティーな内外装は萌えます! ◆本気の人はじっくり待つしかない 全方位的に現代的な、しかもさすがランクルと唸るほどの悪路走破性を備えた250がデビューしたのに、あえて日本で「70」を選ぶなんてちょっと理解できない、カッコつけて買ってもすぐに持て余すだけじゃないか、と言いたいところだが、実際に触ってみるとその気持ちも分からないではない。いやもっと積極的にこれがいい、と言いそうになっている自分に気づく。480万円ならこれで野山を駆け回りたいのが男の子である。残念ながら購入者殺到で受注停止中の今は手に入らない。「今も昔も年産8万台で目一杯作っているのに、どうしてですかねえ?」とは開発主査の言葉である。海外市場向けがほとんどだった70の日本における月販基準台数は400台。なかなか回ってきそうにないが、本気の人はじっくり待つしかない。トヨタ車体吉原工場は今も全力疾走中である。 そもそもザ・ランドクルーザーたる70は、命にかかわるような過酷な場所で役に立つことが使命であり、ランドクルーザー・シリーズの中では普遍性を担うヘビーデューティ・クロスカントリービークルである。実際にアフリカなどでほとんどフレームだけになってもまだ酷使されている70を何度も見たことがある。国内では2004年に販売を停止、14年に70の30周年を記念して1年限定で再販されたから、今回は再々販ということになる。基本的なスタイルは変わっていないようだが、実は現代のルールに適合させるために多岐にわたって改良されている。 エンジンは250と同じ1GD-FTV型2.8リッター直4直噴ディーゼル・ターボ(204ps/500Nm)を搭載(左前フェンダーの黒いフラップは尿素水注入孔)、変速機は6段ATのみだが、パートタイム式4WD(2H/4H/4L)は従来通り、前後の電動デフロックももちろん備わっている。 駆動の切り替えは従来通りのレバーで断固として力を込めて操作しなければならない。それでも、オフロードコースを走ると何だか記憶の中の70よりもずっと洗練されている。それもそのはず、今やアクティブ・トラクションコントロールやダウンヒルアシストなどの電子制御システムを装備する上に、リアのリーフ式サスペンションも乗り心地のために改良したという。プリクラッシュセーフティやバックモニターなど必須の安全装備が備わっていることは言うまでもない。さらに新型70は1ナンバー(普通貨物)ではなく3ナンバー登録である。これもユーザーのために(1ナンバーは高速料金と車検期間で不利)主査がこだわった点だという。そんな話を聞くとますます気になる。変わらないならこれぞ“上がり”のクルマではないか。 文=高平高輝 写真=トヨタ、編集部 (ENGINE2024年7月号)
ENGINE編集部
【関連記事】
- これで520万円は安すぎる! 話題のランドクルーザー250で道なき道を試乗 思わず欲しくなった!!
- 是非、ハイラックス・サーフの復活を! 末裔となる新型トヨタ4ランナーがデビュー ランドクルーザー250のお株を奪うカッコよさ
- ハイラックスに好敵手登場 12年ぶりに三菱トライトンが復活し、ピックアップ市場がさらに活発に
- 「こんなにデカいクルマが2リッターの税金で乗れるのだからお得!」 これが「ランドローバー・ディフェンダー90」に試乗したジャーナリストの生の声だ!
- メルセデス・ベンツの新型Gクラス、その最大の不満点とは? 初のBEVモデルもお披露目されたオーストリアの発表会にジャーナリストの島下泰久が参加した!