《土佐民話よ、永遠に》第一人者・市原麟一郎さんの追悼展 民話を愛して…生涯かけて採集
高知さんさんテレビ
土佐の民話を伝える第一人者で2023年に亡くなった市原麟一郎さんの追悼展が高知市で開かれています。 こちらは市原さんが民話の記録と保存のために出版した機関誌『土佐の民話』です。1971年の創刊から42年間一度も休むことなく、終刊の500号までを世に送り出しました。 高知市の県立文学館で開かれている企画展「土佐民話よ、永遠に」。2023年9月に101歳で亡くなった須崎市出身の土佐民話研究者・市原麟一郎さんを伝える資料およそ750点が展示されています。 中川哲記者: Q「こちらは?」 県立文学館 岡本美和学芸員: 「高知県全域をジオラマにしてるんですけど、ここに市原先生が集めた民話のほんの一部、約200点になるんですけどそれぞれの地域にどんな民話があるかをマッピングしたものになります」 市原さんが民話採集の活動を本格的に始めたのは昭和40年代。テレビやラジオの普及により、次第に地域で埋もれていく民話に危機感を感じ、高校で教師をする傍ら民話採集のため県内各地を訪ね歩きました。 こちらは市原さんが取材のときに使っていたメモ帳です。 県立文学館 岡本美和学芸員: 「7月23日に佐川町に出てその翌日の24日には安芸市と、もう毎日のようにですね、県内東西あちこちとですね、回っているっていうのがこのメモ帳を見てもらっても分かるかと思うんですけど。本当に熱心に活発に活動されてたっていうのよく分かるかと思います」 一方で、こんな記録も。 高知大空襲の体験者の声を録音した73本ものカセットテープとそのテープを書きおこしたノートです。市原さん自身も太平洋戦争に従軍した経験から、戦争の悲惨さを後世に伝えようと、体験者の声を戦争民話として記録に留めました。 このほか会場には紙芝居の読み聞かせを行うため、保育園などを巡った際の自転車なども展示されています。 県立文学館 岡本美和学芸員: 「市原先生が生涯をかけてですね、愛して、全力を傾けたこの土佐の民話を残していく。そして伝えていくというお仕事をですね、見て楽しんでいただける展示になっているかと思います。そして土佐民話の豊かさですね。おもしろさっていうのを味わっていただけたら」 この企画展は高知市の県立文学館で2025年1月5日まで開かれています。
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