餅つきでの初対面から約11年…左肘手術を乗り越えた西武ドラ1武内夏暉とソフトバンク和田毅の運命的な再会
◆練習試合・ソフトバンク4―3西武(28日、宮崎アイビー) 西武のドラフト1位ルーキー武内夏暉投手(22)=国学院大=が、憧れの存在と公言するソフトバンクの和田毅投手(43)と初めて投げ合った。「一緒に投げられたことは本当にうれしい。何かの縁だと思います」とかみしめるように語った。 ■少年・武内夏暉の和田との思い出ショット【写真】 かつてソフトバンクのファンクラブに入っていた武内は、アウトローに糸を引くような直球を投げ込む和田の姿に「自分もあんな球を投げたい」と憧れた。動画で同じ左腕の和田の投球を研究し、球の出所が見にくい腕の使い方などを身につけてきた。 和田とは縁もある。小学5年生だった2012年。投げすぎで左肘を痛めた。地元北九州市のクリニックに治療で通っていると、年末にあった餅つきのイベントに和田が訪れた。一緒に餅をついて写真に納まったが、当時は「たぶん会話はできなかったと思います。それが最初で最後の接点だった」。米大リーグでもプレー経験がある左腕と同じ空間を過ごした写真は実家で大切に保管していた。 当時は和田がメジャー挑戦1年目に痛めた左肘のトミー・ジョン手術を受け、リハビリをしている時期だ。手術で復活を遂げた和田と同じく、左肘の痛みに悩まされた武内も折尾愛真中2年時に手術を受け、福岡・八幡南高に入って投球を再開。国学院大からプロへと突き進むにつれて「長く活躍する和田さんのようになりたい」という夢が膨らんだ。 プロ入り直前だった昨年12月。国学院大のグラウンドで「いつか投げ合いたい」と誓った。練習試合ではあったものの、同じマウンドで先発する機会は想像以上に早く実現した。今回も会話は交わせなかったが、和田は既に開幕ローテ入りが確定。武内も同じ立場へと順調にステップを踏んでおり、チャンスは間もなく訪れるだろう。(西武担当・末継智章)
西日本新聞社