地域の防災士、育成着々と 長野県松本市防災連合会の資格取得補助で
長野県松本市防災連合会(上條泰会長)は、地域防災の担い手を育成しようと4年度に始めた資格取得費用補助事業で20人の防災士が誕生したことを受け、研修を重ねる防災士部会を会内に設立する。意欲と知識のある人材が中核になることで地域全体の防災力を高めていく狙いだ。28日に設立総会を開く。 防災士は、NPO法人日本防災士機構(東京都千代田区)が認証する民間資格。平成7(1995)年の阪神淡路大震災をきっかけに民間で防災を担う人材を育成する機運が高まり、14年に創設された。自治体や大学などで養成が進められており、地域の自主防災組織や学校、福祉施設、事業所などに配置の動きが広がっている。 機構のホームページによると、10月末時点の資格取得者は全国で29万8682人。県内は4432人で10万人当たりに換算すると216人になる。隣接する岐阜県は9549人で482人、新潟県は6612人で300人、能登半島地震があった石川県は9992人で884人となっている。長野県内には糸魚川静岡構造線の活断層帯が走っていることなどを考慮すると、防災士の養成は急務となる。 市防災連合会は以前、防災啓発グッズの購入を補助していたが、4年度から地区の推薦を受けた人への防災士資格取得費用補助に切り替えた。市内には432人の防災士がおり、会の補助を受けずに資格を取得した人たちにも部会への参加を呼び掛ける。 28日の設立総会は午後6時半から、同市中央4の市勤労者福祉センターで開く。県内唯一の防災士養成研修講座認定機関となっている松本大学(松本市新村)の地域防災科学研究所長・尻無浜博幸教授が記念講演する。事務局の市危機管理課は「防災士の知識と活動が地域の助けになる。積極的に参加して」と呼び掛けている。 市民か市内に勤務、在学しており、防災士資格のある人なら誰でも参加できる。26日までに申し込む。
市民タイムス