このクルマはスピードを求めたクルマではない。往年のラグジュアリー感を存分に
【塚本奈々美✕チェイサー】 見た目はオリジナルに極力近いものを目指しつつも、エンジンを兄弟車のコロナマークⅡ用の4M-EU型2600ccエンジンに載せ換え、SGSのグレードはパワーステアリング機能が搭載されていないのでボルトオン可能なSGツーリング用を流用。ウインドーもオートに変更。レストアにかかった費用はエンジンを含め120万円と、この完成度のわりには意外と安価で驚き。 【画像10枚】頭文字Dリアルファンが持つチェイサー。内装はエンブレムを中心にチェイサーSGツーリング仕様に変更されている。ステアリングはLEONARD VOLANTIのウッドを装着。他にはシフトノブ、フットペダルなどを変更しているが、集められるだけのパーツを用意し、オリジナル度を高めている 私自身でも走らせてもらった。このクルマは本来スピードを求めるものではない。往年のラグジュアリー感を求めたものであり、昭和の時代の高級車の感覚を十分に味わうことができた。 もともと旧車好きなオーナーさんですが、若いころはチェイサーのフォルムがあまり好きではなかったそうだ。ところがご自身が40代になって、解体屋に放置されていたこのチェイサーを見つけたとき、「すごくカッコいいな~」と一目ぼれし、引き取ってこられたとのこと。 ただ、かろうじて車体は原型をとどめていたものの、内装やシートはぼろぼろの状態。そこでできる限り純正部品をオークションで買い揃えようとしたが、特に2枚ドアは希少で流通数も少なく、専用のモールを手に入れるのに大変苦労したとも。 同時に、草むらに放置されていたクルマを、外見のみならず走りまでも蘇させたことに感動を覚えた。 X100系のチェイサーはドリフト業界で現役の競技マシンとして親しみがあったのですが、その先祖でもあるX30、40系のチェイサーのオリジナルは見たことがなかった。 今回当時の姿にこだわってレストアされたこのチェイサーを知り、チェイサーというクルマのファンになってしまった。 また、こうしてオーナーさんにお話を聞くのは、そのクルマに対しての気持ちも伝わってきてすっごく楽しい。 これからもマイカーにコダワリをもった全国、いや全世界のオーナーさんにお話を聞いていきたい! 初出:ハチマルヒーロー 201年11月号 Vol.39 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部