知識で自然災害に立ち向かう 山下智久「ブルーモーメント」で目指す新境地
新番組「ブルーモーメント」 フジテレビ系 水曜午後10時 5年ぶりの民放ドラマ主演となった今作で、自然災害から人々を守る気象研究官、晴原柑九朗を演じる。晴原はテレビに出演するさわやかな「お天気お兄さん」の顔と、内閣府直属の特別災害対策本部で救助チームを率いる「天才毒舌チーフ」の顔を併せ持つ、二面性のある人物。「彼が背負っている過去も含めて人間味が感じられる、今までとは一味違うキャラクターを作りたい」と意気込む。 【画像】急激な天候の悪化で雪崩事故が起き、晴原柑九朗は要救助者の捜索と避難指示に当たる 令和2年に独立した後は、海外ドラマ主演も果たし、国際派俳優としての地歩を着実に固めてきた。現場で学んだのは、自分の意見を伝えることの大切さ。「みんなパーフェクトなわけじゃない。日本に関することなら、自分の知識をシェアした方が深みも広がりも出てくる」。今作の主人公・晴原は、年齢や階級に関係なく能力重視で救助チームを作り上げていくリーダーだ。「晴原は声を出すことでチームを鼓舞していく。自分自身も、ポジティブなことはどんどん言葉にしていきたい」という。 海外での経験は、気象学を身近に感じるベースにもなっている。「もともと砂漠だった場所に行くと、めちゃくちゃのどが渇いたり、外の気温が1、2度違うだけで汗の量が全然違ったり。自分たちが思っている以上に、人間の身体は気象の影響を受けている」と実感を込める。 普段は「週間天気をチェックする程度」だが、科学に関する動画はよく見ているという。気象研究官の晴原も、科学的な知識を武器に自然災害に立ち向かう。「自分も割と好奇心が旺盛な方なので、地球上で起きていることを先人たちがどういう思考回路で見ていたのか、知らないことを知るのが楽しい」 人気漫画の実写化でもあり、事前に原作を何度も読み込んだ。「完全再現というのはなかなか難しい」としつつ、「(原作の)先生が一番伝えたいメッセージを理解して、自分の中に落とし込んで新たに役を作っていく気持ち」で臨む。「残念ですけど、やっぱり日本は自然災害が多い国。晴原が命を懸けて、災害に対するリテラシー(知識と活用力)を届けていくところが一番大切だと思う」 タイトルの「ブルーモーメント」は、日の出前に街全体が濃い青色に染まる、ごくわずかな時間帯を指す。それを目にできるのは、いつもと変わらない朝を無事に迎えられたからだ。「災害に対する知識は知らないより知っている方がいいし、それは晴原の思いでもある。一人でも多くの方が受け取ってくれるように、丁寧にドラマを作っていきたい」