「女性従業員が泥酔客の腕をかかえて店に連れ込む」「カードを盗んで30分で107万円決済」大阪・北新地「昏睡強盗中国人バー」の狡猾な手口
10回の決済で107万円
「容疑者らが狙っていたのはきまって男性1人か2人組で、40歳以上。若い人は中国人のやるバーやクラブに行きませんから。少人数なのは泥酔させて財布から現金やクレジットカードを盗みやすくするためでしょう」 アンディ南野氏が見せてくれたのは、ある被害者の『Princess』でのカード決済履歴だ。昨年12月20日の24時32分から24時59分まで計10回の決済が試みられている。最初に申請された額は19万8000円で、その次も同じ19万8000円、そして16万5000円──徐々に金額が下げられ、最後は2万2000円。計107万8000円にも及ぶ。 「はじめの大きい金額はカードの限度額に引っかかったのか、エラーで断られています。で、少しずつ上限金額に引っかからないよう金額下げて、2回分計5万円5000円が決済されています。たった20分ちょっとで同じ店で10回も切ろうとするなんてどうみてもおかしい話で、クレジットカード会社も止めるべきだと思うんです。結局、カード会社は取り合わず5万5000円は請求されましたし、警察も『北新地は高いから』と難色を示した」 前述の通り、北新地は高級歓楽街だ。富裕層も多く訪れるため、まめに利用明細を見る人でなければこうした被害に気づかないケースもあるだろう。アンディ南野氏も実感として「被害相談に行くのは20~50人に1人くらいじゃないですかね。(被害にあったことに気づいた人も)やっぱり恥ずかしいし、かっこ悪いから」と、実際の被害額はさらに大きいのではないかと指摘する。 アンディ南野氏のもとには中国人をはじめとした外国人が経営する店舗で似たような被害報告が相次いでいて、今回の逮捕は氷山の一角だという。 「男性2人組が中国人キャッチに声をかけられ、『X』という店に行ったときの話です。片方は入店早々に店内で寝てしまい、もう片方が女性キャストと1杯ずつ飲んだところ、請求は3万円。この男性は現金で渋々払ったのですが、寝ている男性の財布からクレジットカードが2枚抜かれていて、それぞれ16万5000円、15万5000円の請求がきました。 しかも、カード決済の明細を見ると、住所は同じなのにそれぞれ店名が違っていた。同一住所で2店舗登録していたんです。この時は警察に被害届を出して、クレジットカード会社と粘り強く1か月かけて交渉してようやく返金されましたが、いまの北新地はもうやりたい放題なんです」 アンディ南野氏を含めた指導員らは客引きを見かけると注意をするが、罰則がないためイタチごっこが繰り返されている。北新地の飲食店からは、より強制力のある対策を大阪市に求める声が上がっている。
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