白狐の格好でたいまつ行列に参加する子どもたち（湯の町街道で）

　白狐（びゃっこ）が温泉を見つけたという伝説にちなんだ春の風物詩「湯田温泉白狐まつり」は6、7の両日、山口市の県道204号（湯の町街道）や井上公園で開かれた。2日間で約9万人（主催者発表）が来場し、名物のたいまつ行列や総踊りを楽しんだ。同実行委員会（中村卓也委員長）主催。 　 　初日のフィナーレは白狐の嫁入りたいまつ行列。カップルは同地域を担当する地域おこし協力隊の葛巻弦喜さん（28）と美郁さん（25）。新婚の2人を載せた人力車の後を白狐に扮（ふん）した子どもと大人計230人がたいまつを持って、湯の町街道を練り歩いた。突然の雨に見舞われながらも来場者は幽玄な雰囲気を満喫していた。西依美陽さん（湯田小5年）は「今年も白狐になりきって楽しめた」と話した。

パフォーマンスを披露する徳地の奇兵隊（湯の町街道で）

　2日目は朝から歩行者天国となった県道でパレードを実施。市消防音楽隊の演奏に合わせ、湯田温泉PRキャラクターのゆう太・ゆう子と伊藤和貴市長を先頭に、アニメのキャラクターや幕末の志士に仮装した人々、みこしが続いた。奇兵隊に成りきった徳地の地域住民らは、鉄砲を撃つパフォーマンスを披露し、会場を盛り上げた。同地域で行われたサバイバルゲームを縁に周南市から参加した双子の大学生、髙橋和真さんと侑真さん（ともに18歳）は「歴史を再現出来て、とても楽しい」と笑顔を見せた。 　 　県道の特設ステージでは、総踊りを担当する庄栄一郎さん（60）が率いる長州ハッピースマイルときめき隊や当日参加者が踊った。庄さんは米有力紙で今年、行くべき旅行地52選で市が3番手だったことに触れ「この評価を証明するため、世界に向けて山口の元気を届けよう」と呼び掛けた。キツネをイメージした振り付けのある「湯田温泉にKON来ん？」や「恋するフォーチュンクッキー」を披露し、祭りに花を添えていた。