【中華系】安く豪華に独自の進化　牛タン、フォアグラ…肉系がメイン

　北京では健康志向の高まりもあって、日系以外の回転ずし店もよく目にする。若者に人気がある台湾のチェーン「争鮮」は、中国本土やシンガポールなどに進出している。北京中心部の店を訪ねた。 　価格は1皿6元（約130円）からと、日系よりも安い設定。マグロやサーモンなどの生魚はあるものの、牛タン、牛肉キムチ、ローストビーフといった肉系がメインという感じだ。 　まずはローストビーフにフォアグラとキャビアをのせた一押しメニューを試した。1個12元と他のメニューよりは割高だ。どんな味なのか想像もつかないまま、大ぶりなすしを一口でほおばる。牛肉のうまみと濃厚なフォアグラが溶け合い、ぜいたくな味わいが口に広がった。続く牛タンも柔らかく、酢飯とマッチ。2個で6元のカモ肉のローストも味は上々だった。 　海鮮も日系に引けを取らない。1個6元のアカエビは新鮮で臭みもなく、1個12元のマグロの中トロは薄切りだが脂が乗り、とろけるような舌触りだった。低価格と豪華さを追求する路線なのだろう。中国でもすしが独自の進化を遂げていることが印象に残った。 　日中両政府は9月、日本産水産物の段階的な輸入再開で合意した。福島など10都県産以外の水産物が輸入できる香港では、日系回転ずし店が一部のネタに日本産を使っている。輸入再開の時期は全く見通せないが、日本産を使えるようになれば、中国の回転ずしも魅力が増すに違いない。