J3今治「アシックス里山スタジアム」へ 岡田武史会長が明かす「1年間ネーミングライツなし」の理由
J3のFC今治と株式会社アシックスは23日、都内で「今治里山スタジアム ネーミングライツ契約発表記者会見」を開催した。昨年オープンした同スタジアムは5月1日から「アシックス里山スタジアム」(略称アシさと)に名称変更。今治の岡田武史代表取締役会長は「我々まだまだJ3の身でありながら、アシックスという日本の全国ブランド、また世界のブランドとタッグを組めることを本当に光栄に思っています」と語った。 ネーミングライツの契約期間は24年5月1日より29年1月31日まで。22年より今治のオフィシャルサプライヤーも務めるアシックスの廣田廉人代表取締役CEOは「スタジアムを核として、健康、環境、教育、広い取り組みをされていることに共感いたしまして、ネーミングライツをいただいて関係を深めていきたいと思ったことがきっかけ」と明かした。また岡田会長も「生意気ですけど、J3ですけど、我々の思いに共感していただける、また我々のやろうとしていることに協業していける企業さんと組みたいと、1年間ネーミングライツなしで頑張ってきました。そのかいがあって、最高のマッチングができた」と喜んだ。 両社はスポーツを通じた健康増進などの取り組みでもタッグを組む。スタジアムを「実証実験の場として」(廣田CEO)ランニングイベントなどを開催し、デジタルでの分析、診断によって効果的に行う取り組みを予定。岡田会長は「アシックスは神戸に研究所を持っておられるが、そこに行ったときびっくりした。日本の企業、スポーツメーカーでここまでのことをやっているのか、と。日本人として誇りに思った。ここと組んでやるからには、この研究所でやっていることを実証すること、実装してみることだと」と続けた。認知症予防に効果的だという運動継続のため、デジタル活用にアシックスの知見を用い、今治の持つスタジアムを中心としたコミュニティーの中で広げていく考えだ。5月6日の富山戦は「アシックスマッチデー」を開催し、来場者全員に記念Tシャツのプレゼントも行う。 2030年までにJ1昇格を目指す今治と、サッカーのフットウェアでの日本ナンバーワンブランドを狙うアシックス。廣田CEOから「あとはJ2に上がってもらうだけですね」と期待をかけられた岡田会長は「ぜひそれを実現して、ネーミングライツを永久に取ってもらいたいと思っております」と返し、互いに高め合う中でのタッグ継続を望んでいた。
報知新聞社