アメリカZ世代を夢中にさせる「呪術廻戦」「鬼滅の刃」海外からも指摘される制作現場の“労働環境の改善”はどうなる?
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 今回のテーマは、「NYのZ世代が選ぶベストアニメは?」と「2024年のクリエイターの職場環境はどうなる?」。「NY Future Lab」のメンバーが、アメリカで人気の日本アニメや、アニメ制作現場の職場環境について語り合いました。
◆アメリカで人気の日本アニメは?
日本の重要な輸出産業であるアニメ。世界のアニメ市場は、2022年の286億米ドル(約3兆9,000億円)から2030年には600億米ドル(約8兆3,000億円)にまで拡大し、年平均成長率は9.8パーセントになると予測されています。アニメが世界のエンターテインメントの一部として定着した背景には、ストリーミングやサービスの多様化が考えられます。 世界で一番アニメ視聴人口が多いのはアメリカであり、18歳から29歳のアメリカ人の3割は継続的にアニメを見ています。 NYのZ世代であるラボメンバー6名のうち、メアリーとノエがアニメファン。まず、ふたりからアメリカで一番ヒットしているアニメについて聞きました。 メアリー:「鬼滅の刃」かな? ノエ:今は絶対に「呪術廻戦」だと思うよ。 メアリー:それはシーズン2が出たのが最近だからじゃない? でも、全体的には「鬼滅の刃」だと思う。みんなが着ているTシャツや他のグッズ、そして話題になっている量から言っても。 ノエ:登場人物では、五条悟(呪術廻戦の登場人物)がフランチャイズを支えているよね。 メアリー:もちろん!彼はすごくかっこいいもんね。 ミクア:私も聞いたことはあるよ。友達が投稿しているのを見かける。でも、私は観てないからわからないんだよね。多くの人がすごくいいって言っているけど。 ヒカル:見るべきだってよく言われるけど、第1シーズンすら見終わっていないんだよね。 ノエ:僕は「呪術廻戦」に関して、ストーリーはそれほど素晴らしいと思わない。いや、いいんだけど驚くほどではないという意味だよ。面白いし楽しいけど、「うわ~、すごい」って感じではない。 そういうストーリーの面ですごく特別なのは「進撃の巨人」だよね。「呪術廻戦」はとても一般的な少年アニメで、「NARUTO -ナルト-」的な感じかな。 でも、「呪術廻戦」シーズン2のアニメーションのクオリティは異次元すぎてやばい。日本のアニメでこれほどよくできた高度なモーションデザインを、毎回繰り出してくるなんて見たことがないから本当に楽しいよ。 「呪術廻戦」のアニメスタジオのMAPPAが作るものは、アニメーションに制約がないよね。ピクサーやディズニーのようにすべてが動いていて、すごく3D的な感じなんだ。 シェリー:では「進撃の巨人」は人気? ノエ:もちろん、それも入れなきゃね。ついに最終回になったけど。 シェリー:観るの? メアリー:うん、絶対に観るつもり。高校の頃から観ているし、最後まで観るべきだと思うから。 今アメリカで一番人気があるアニメは「鬼滅の刃」か「呪術廻戦」、そして最終回を迎えた「進撃の巨人」。ほかには、原作終了から長い歳月を経てアニメ化され話題となった「BLEACH」や「るろうに剣心」といったクラシックアニメ、Netflix限定配信の 「PLUTO」、MAPPA制作の「ヴィンランド・サガ」なども人気を集めています。 日本のアニメは漫画に近い平面的な映像が特色とされてきましたが、「呪術廻戦」のアニメは全体的に躍動感溢れる描写となっており、アニメファンのあいだで高く評価されています。