桜の開花早過ぎて開催中に散ってしまう… 温暖化進み早まり困った、見頃逃さないよう「桜まつり」前倒し決断
上田城跡公園での「上田城千本桜まつり」、初めて3月下旬に開幕へ
長野県上田市の信州上田観光協会は今年、上田城跡公園での「上田城千本桜まつり」の開幕を従来の4月から、初めて3月下旬に前倒しする。温暖化で近年、桜の開花が早まり、まつり後半に見頃を過ぎてしまう年が相次いでいるためだ。現時点では3月30日~4月7日の開催を予定。2月中に最終決定する。 【グラフ】上田城址公園のソメイヨシノの開花日
18年以降、4季で3月中に開花 閉幕前に散ることも
同協会によると、まつりはここ10年ほど10日間から2週間程度開催。公園内の桜の大半を占めるソメイヨシノの開花日は2011~17年の7季はいずれも4月に入ってからだったが、18~23年は6季のうち4季で3月中に開花した。 花が散るのも早まっている。3月30日に開花した18年は、4月7日のまつり開幕日に散り始め、後半は花がほぼなかった。20年以降は開幕を4月1日に固定。23年は1991年以降で最も早い3月24日に開花し、4月9日の閉幕を待たずに散り終わった。
「祭りならではの雰囲気を同時に楽しんでほしい」
同協会は、まつりの日程は観光客や旅行代理店が旅程を組む参考にするとし、「なるべく見頃が重なる方が良い」と説明。4月初めの冷え込みで開花が見込みより遅かった22年のような例もあるが、近年の傾向から開幕前倒しに踏み切る。「見頃を狙って花見に来る人も、屋台で地元の幸を味わえるなど、祭りならではの雰囲気を同時に楽しめる方が満足していただけるはず」としている。