林家菊丸が芸歴30周年記念のNGK公演で覚悟のネタ下ろし「収まるのはまだ早い」
上方落語家の林家菊丸が14日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で、芸歴30周年記念の独演会ツアーの意気込みを語った。先月28日に東京公演を終えたばかりで、NGKでは9月23日に開催される。 1994年に林家染丸に入門。前名・染弥から20周年の14年9月に3代目菊丸を襲名し、吉本興業を代表する落語家の一人に成長した。 NGKでは、ラスト開催の文化庁芸術祭大賞(22年度)の受賞に結び付けた「井戸の茶碗」と、人気女性落語家・桂二葉から「登場人物がアホすぎて面白い。教えてほしい」と請われた「看板のピン」に加え、他に初演のネタ下ろし1本の計3本を演じる。初演の演目は秘密だが「あまり他ではされていない」という、はめもの(鳴物)入りの古典ネタで「芸歴50、60年の方もいる。30年を迎えても、収まるのはまだ早い。大舞台でのネタ下ろしは非常に危ない気持ちですが、向上心を持ち続けなければいけない」と意欲を示した。 NGKのゲストには、日本テレビ系「笑点」の司会者・春風亭昇太が出演する。「予定調和でもアドリブでもなく、繊細に作っているように見えながら、爆笑をさらう。大好きな先輩です」とリスペクトした。 芸歴10周年から独演会を5年ごとに開催している。「月並みですが、あっという間。5年ずつ目標を考えて、そのハードルを越えて来られた」と自身の歩みをかみしめながら「通にも、まっさら(=初心者)のお客様にも楽しんでもらえるような自在なタイプにはなったかな。『外さないなコイツは』という噺(はなし)家になりたい」と、35、40周年を見つめた。 今月25日には愛知・名古屋の大須演芸場、6月8日に奈良・たけまるホール、7月7日に故郷の三重・四日市文化会館第2ホールで開催。また、追加公演として11月16日にも京都・よしもと祇園花月でも行われる。
報知新聞社