「勉強で言ってはいけない言葉」と「勉強で使うべき言葉」
韓国で50万部の超ロングセラー、韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、中高生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。いま、再燃している『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。 今回は、本書と、最新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』の共通点を紐解きながら、勉強で人生の活路を見出した2人の成功者からの学びを抽出します。今話題の本の魅力に迫る!(構成/ダイヤモンド社武井康一郎) ● 肯定的な気持ちを高める最高の方法 「ゲーム依存からの脱却」「人生の選択」「成功の本質」「継続と習慣」について、韓国のベストセラーからの共通の学びをこれまで紹介してきました。 今回は、「言葉」に注目します。随所に出てくる偉人たちのエピソードには、親子の関係がたびたびフューチャーされます。勉強には家族の支えが必要不可欠です。一番大事なものは何でしょうか。お金? 家柄? 教育? 本当に大事なのは、最も身近なコミュニケーションにあるのかもしれません。 EBS『人間のふたつの顔』の制作チームは、7歳の子どもと母親のペア7組に、1分だけ親子でゲームをするように頼みました。床にボールがいっぱい置かれている部屋で、母親は決められた場所に立ち、子どもが目隠しして投げたボールをかごで受け止めるというゲームです。 ここで注目すべきは、母親と子どもの会話です。なぜなら、子どもが目隠ししているため、母親は子どもにボールの位置や、どちらの方向へ投げればいいかを、口で言って教えるしかないからです。 実験の結果はどうだったでしょうか。母親が「違う」「だめ」などの否定的な言葉を使ったチームの成績は、平均7個。一方、「そう」「うまい」「大丈夫」など、肯定的な言葉を使ったチームの成績は、平均12個でした。 これは母親の肯定的な言葉が、子どもたちに「やればできる」という肯定的な気持ちを植え付けることを示しています。すなわち、絶えず支持と理解を示すことが、肯定的な気持ちを高める最高の方法だと言えるのです。「褒めればクジラも踊る」ということわざがありますが、その通りです。 ――『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』より 親が子を苦しめる言葉は「違う」「だめ」などの否定的な言葉でした。実験の結果がうまくいった親は「うまい」「大丈夫」などの肯定的な言葉でした。この実験は、日常のコミュニケーションが顕著に表れたはずです。日ごろ使っている言葉が子どものパフォーマンスにいかに影響するかがわかる実験でした。 一方、子どもの場合はどうでしょうか。 母親に向かって「つらい」と言い続けていると、あなた自身の脳もそのうそを本当だと信じてしまいます。その結果、あなたもお母さんもうそを信じることになります。ろくに勉強していないのに、親子してつらくなるというバカバカしいことになります。 私も口癖のように言っていた「つらい」という言葉をやめてみると、とてもよい結果が出ました。「つらくて死にそうだ」などとうそをついて、お母さんとあなた自身を騙してはなりません。 「つらい、つらい」と言うたびに、勉強の意欲はしぼんでいきます。自分が作り上げたうそのせいで心を痛める母親のためにも、無駄なストレスで苦しむ自分のためにも、「つらい」と言う習慣を断ち切りましょう。 ――『勉強が面白くなる瞬間』より たとえ嘘だとしても、そう言っていると、不思議なことに脳は、そう思い込みます。このケースでは「つらい」です。たいして努力もしていないのに、または、親の気を引くために「つらい」と言っていては、本当につらい状況に自分を追い込んでしまいます。親も過剰に心配してしまうかもしれません。つらくても、「たのしい」「できた!」など、表現を変えていきたいものです。 ちょっとした言葉遣いが、あなたの未来を変えてしまうことがあります。親なら子どもの未来に影響を与えてしまうかもしれません。未来を暗いものではなく、明るいものにしたいものです。 大変なときこそ、肯定的な言葉を使う。「やればできる!」と信じられると評判の高い二大ベストセラーは、韓国で大変多くの読者に支持されました。 次はあなたの番です。言葉一つで人生が変わる。目標達成のために、「言葉」から気をつけていきましょう。 『勉強が面白くなる瞬間』『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』には、偉人たちのエピソードが盛りだくさん。ノウハウよりもモチベーションに訴えかけるものが多く、きっとあなたの心に合うエピソードがあるはず。思っているだけで変わらない、もしくは、変わりたいと思っているのなら、きっとあなたの背中を押してくれるでしょう。
パク・ソンヒョク/吉川 南