【潜入】ソフトバンク驚異の防御率「1・99」小久保監督、倉野コーチが語る鉄壁投手陣好調の理由
<潜入> 現在パ・リーグ首位を快走するソフトバンク。その原動力の一因が12球団NO・1のチーム防御率1・99を記録している投手陣だ。小久保裕紀監督(52)は「競争意識」、倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(49)はメジャー流の「3球勝負」などが好調の要因であると力説。両首脳の言葉を基に、鉄壁投手陣に迫った。 【写真】ソフトバンクのあの投手が母と秘蔵2ショット公開 ◇ ◇ ◇ チーム打率2割6分1厘。12球団最強を誇る打線はもちろんだが、ソフトバンクの強みは投手陣にもある。チーム防御率は驚異の1・99で、先発に限ると2・08、リリーフに限ると1・82。あくまで机上の話だが、1試合に2得点すれば逃げ切れる。 小久保監督は「競争意識」が奏功していると語る。主にリリーフ陣に対して「杉山にしても又吉にしても勝ちパターンに入っていきたいとか、そういう競争心もあるでしょうし」と言及。現在は藤井-松本裕-オスナの勝ちパターン継投が基本軸だが、防御率0・00のヘルナンデスや長谷川、同0・71の津森、同1・50の杉山も虎視眈々(たんたん)と「いい場面での投球」を狙っている。「将来的にはこのポジション(勝ちパターン)を奪い取りたい、みたいなものもあると思う。その辺の競争意識を含めてうまく回っている」と分析した。 “倉野改革”も大きい。昨年までの2年間、米レンジャーズ傘下で指導経験がある倉野1軍投手コーチは「ゾーンで勝負すること。3球勝負。無駄なボール球はいらない」と投手陣に口酸っぱく言ってきた。「アメリカだとボール球を使う習慣がない」という、まさにメジャー流だ。 「時には慎重にいけばいい」と前置きしつつ「球が遅いピッチャーでも3球勝負でいったほうがいい。1球ボールすることによってバッターに考える時間、選択肢を与えることにもつながる。特にランナーがいないところではガンガンいくべき」と力説した。藤井は「あまり考え過ぎないようにマウンドに上がっています」と語っており、雑念を払って腕を振ることがピッチャー陣の好調の要因とも言える。 貯金14まで膨らみ、2位の日本ハムに4・5ゲーム差をつけて首位を快走する。柳田、山川、近藤を中心にしたド派手な打線だけではない。鉄壁な右腕、左腕たちがホークスを支えている。【只松憲】