【データで見る】大谷翔平以来の「最高勝率」日本ハム伊藤大海が2冠携えさらなる大海へ
<データで見る2024ペナント・日本ハム(パ3位75勝60敗8分)> プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第9回は日本ハム。 【写真】ダルビッシュと記念撮影する伊藤大海 ◇ ◇ ◇ 4年目の伊藤大海が最多勝、最高勝率の2冠に輝いた。過去3年はいずれもオリックス山本が4部門独占という高い壁が立ちはだかったが、自身初タイトルを獲得した。日本ハムで最多勝は19年有原、最高勝率は15年大谷以来で、入団4年目までに2冠を獲得した投手は16年菅野(巨人=最優秀防御率、最多奪三振)以来。最多勝、最高勝率の2部門では15年大谷以来で、パ・リーグでは11人目。日本ハムは11人中最多の4人目と、先輩たちに続いて早いタイトル獲得。 2冠はホームでの好成績が大きかった。新人時代からの本拠地・札幌ドームでは21年2勝4敗、22年5勝6敗、エスコンフィールド元年の23年は1勝7敗と、いずれも負け越し。本拠地以外では貯金を作れているのに、本拠地では白星を伸ばせなかった。それが今季は13試合で9勝1敗と大きく勝ち越し。6月12日中日戦と7月28日西武戦での計2度のマダックスを含む3完封もマーク。昨季まで8勝しかできなかった本拠地で、3年を上回る白星を稼いだ。 負け数はわずか1で、エスコンフィールドでは貯金8。本拠地での高勝率がタイトルの支えとなった。最近では13年田中(楽天)がKスタ宮城で11勝0敗で2桁貯金しているが、日本ハムの投手が同一球場で貯金8以上は珍しく、82年に後楽園球場で10勝1敗の工藤以来42年ぶり。貯金8はその工藤に次ぐ球団2位タイだった。日本ハムでは後楽園のあとに東京ドーム、札幌ドームを本拠地としていたが、シーズン最多貯金は7。札幌ドームでは09年ダルビッシュと15年大谷の各7個が最多で、2人もできなかった本拠地での「貯金8」で、2冠をたぐりよせた。【多田周平】