「なぜR指定じゃないの?」「基準分からん」 ちゃんとエグいマンガ原作映画にあった工夫
子供による車の運転があるとPG12?
●『ミュージアム』 『ミュージアム』(原作:巴亮介)は雨の日だけ起こる猟奇殺人事件を追うサイコスリラーで、劇中では「縦に真っ二つにされた」「頭部だけ」の死体がはっきりと映ったりもしていましたが、なんとレーティングはG指定でした。確かに劇中ではそれらの死体の「切断面」は見えないようになっているものの、かなりショッキングです。他にも性行為寸前の場面がセリフや行動から、「匂わせる」程度で示されています。 配給側もそのレーティングが予想外だったためか、チラシにはPG12指定の映倫のマークになぞらえた「危険!鑑賞注意」とともに「どなたでもご覧になれますが、刺激の強い描写もございますので、ご注意ください」と書き添えられていました。 本作監督の大友啓史さんは、公開時のインタビューで映倫の判断に驚いたことを語り、死体があってもそれに至る過程が描かれなければ大丈夫なのではないか、という旨の持論を語っています。 筆者個人としてはPG12指定は鑑賞の絶対的な制限をかけるものではなく、あくまで観客の判断に委ねている、残酷描写が性描写あるという注意喚起にもなると思うので、本作での死体の描写を鑑みればPG12指定でも良かったようにも思います。 余談ながら、凄惨な殺害現場が映された『夏目アラタの結婚』はG指定でしたが、『正体』では「殺害現場の流血の描写がみられる」という理由でPG12指定がされていました。映される死体や血糊がいかに残酷に見えても、その場所で新たに「血が流れる」シーンがなければG指定になる、ということなのかもしれません。 さらに、最近では『ゴーストバスターズ/アフターライフ』『シング・フォー・ミー、ライル』など、明らかにファミリー向けの映画が「年少者の車の(無免許)運転の描写がみられる」という理由でPG12指定になったこともありました。PG12指定という表記そのものではなく、その理由を映画倫理機構(映倫)の公式サイトで理由を調べてから、子供と観てもいいかを判断するのもよいでしょう。 ※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」
ヒナタカ