猛暑からの寒暖差の激しい今年は「かかと荒れ」もひどくなる! かかとのガサガサ、ひび割れの原因とケア法
乾燥が気になる季節がやってきた。ふと、かかとを見たらガサガサで靴下やタイツが引っかかってしまう…かかと荒れに悩む人も増えてきたことだろう。今年は猛暑の影響で寒暖差が激しく、かかと荒れを引き起こす条件が揃っているという。なぜ寒暖差によってかかと荒れを引き起こされるのか、ケア方法などをひかり在宅クリニック・皮膚科医の今井亜希子先生が解説する。 【画像】ガサガサのかかととおすすめのクリーム
かかと荒れの原因は乾燥と圧力
かかとがほかの部位と比べて、ガサガサになりやすい理由は大きく2つ挙げられます。 1つはかかとに皮脂腺が少ないということです。 皮脂腺とは毛穴の内側とつながっている皮脂を分泌する器官で、皮脂膜を形成し皮膚の水分を保ってくれますが、かかとは皮脂腺が少ないため、皮膚表面に水分を保持できず、常に乾燥しやすい状態にあります。乾燥すると皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が滞ってしまい、角質の厚みが増し、硬くなるのです。 その状態で立ったり歩いたりすると、かかとの皮膚が伸びきれず、表面がひび割れてしまうのです。 もう1つは、体重の圧力と靴の摩擦によって起こります。かかとは体重の約70%の圧力がかかり、歩くときに靴のかかと部分が当たる場所です。日常的に圧力と摩擦による刺激があるため、角質が厚くなりやすく、皮膚の柔軟性が失われてしまい、荒れたりひび割れしやすい状態に。 乾燥しやすい部位なうえに、そこに体重の圧力と靴の摩擦が加わって、かかとはガサガサになってしまうわけなのです。
寒暖差がかかと荒れを重症化させる
今年の夏は記録的な猛暑が続き、10月になっても気温が25℃以上の真夏日もありました。素足でサンダルを履いて過ごした人も多かったのではないでしょうか? 素足でサンダルを履くというのは、靴下を履いた状態に比べると、かかとも圧力を受けやすいため乾燥の原因になります。また、サンダルはどうしてもつま先のほうに足が滑っていくため、靴との摩擦で、かかとはダメージを受けやすいのです。 さらに素足の状態で冷房の効いた部屋で長時間過ごしていると、気がつかないうちにかかとが乾燥していることもあります。実は猛暑はかかとにとって過酷な環境だったのです。そのため、冬が始まる前からかかと荒れを起こしているというケースもあるのです。 また、かかとは血液の循環(血流)が悪く、冷えやすい部位。血流が悪くなると皮膚のターンオーバーが乱れて、角質も厚くなりがちです。 冬にかかと荒れしやすいのは、この冷えによる血行不良も原因の1つです。 暖かい室内から寒い屋外へ出るのを繰り返す温度差のせいで、自律神経が乱れてさらに血行不良となり、かかと荒れが引き起こされるのです。 屋内外に限らず、今年は前日との気温差、日中と夜の気温差など寒暖差が激しい気候が続いています。 寒暖差がかかと荒れにも関係していると覚えておき、今からしっかりケアしましょう。